劇的な幕切れだった。最終18番ホールを迎えて和田章太郎(福岡第一高校3年)は、通算3アンダーパーで2位。その時点で首位は、同じ組で回る平石健太で通算4アンダーパーだった。その平石が第2打を手前のバンカーに入れたのを見て、「チャンスあるかも。いけるかもしれない」と思った和田は、残り175ヤードの第2打を7番アイアンで打ち、見事にピン80センチにつけた。バンカーショットをミスした平石がこのホールでダブルボギーをたたき、和田がバーディパットを決めて、有終の美を飾った。
この日は首位でスタートした和田だったが「ショットもパットも悪くて」16番まで3ボギーとスコアを落として、平石に逆転を許していた
。「自分にプレッシャーをかけすぎていて、自分のゴルフができなかった」と言う状態で、「ティーショットは曲がり、第2打もグリーンに乗らず、決めなきゃいけないパットを何回も外した」と苦しい展開となった。得意なクラブはパターだったが、「全然入らなかった。自信を持って打っているのに、入らなくておかしくした」と流れをつくることができなかった。それだけに最後の短いバーディパットは「長く感じた」というのは、正直なところだろう。
最後の2ホール、土壇場での逆転劇は見事だった。今年の2月、ツアー競技ではないものの、日本人のツアープロも多数出場したハワイパールオープンで、宮本勝昌と並んで日本人最上位となる4位タイに入ったのが、「自信になった」という。今年はすでに来年のプロツアー参戦を目指してファーストクォリファイングトーナメント(房総CC房総ゴルフ場)を受けており、1位で通過を果たしている。次のセカンドクォリファイングトーナメントは10月8日から11日の静ヒルズCCだ。日本ジュニアゴルフ選手権競技での最近の優勝者では石川遼、松山英樹、川村昌弘といった選手がツアーで活躍をしている。和田にもぜひその先輩たちに続いていってほしい。
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