第2ラウンドを終えて、ただ一人のアンダーパーで首位に立っていた中井賢人(保谷中学3年)。前半の中井は昨日までの好調なプレーをそのままに順調にスコアを伸ばす。
2番で3メートル、4番では1.5メートルのバーディを沈めて前半を終えて通算4アンダーパー。この時点で2位に7ストロークの大差をつけて、中井は初優勝を手中に収めたかに思われた。中井自身も「もちろん、同じ組でプレーしている選手のスコアはわかっていたし、優勝できるかもしれないと思った」と自信を持って後半に入ったが、勝利の女神は中井に微笑まなかった。
12番で左バンカーからのショットをミスしてこの日初めてのボギーを叩くと、中井はなだれ
のようにスコアを落とし始める。13番もボギーとすると、14番では残り120ヤードのラフからの3打目を「フライヤーを計算してピッチングウェッジ」を手にしたが、このショットが中井の初優勝の夢を打ち砕いた。中井の計算よりも飛距離が出たサードショットはグリーン奥のバンカーの縁にあたり、そのままOB。このホールをダブルボギーにしてしまうと、15番、17、18番でもスコアを落とし、後半は42。前半の貯金を吐き出し5オーバーパーでホールアウト。通算3オーバーパーは、同組でプレーしていた鈴木に3打差をつけられ、3位に終わった。
「14番のフライヤーが全て…悔いが残ります」呆然自失の中井は、そう話すのがやっとだった。
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