堀琴音(滝川第二高校3年)には、パッティングでフックラインを引っかけやすいという悪いクセがあるという。スタートの1番(パー4)で6メートルに2オンしたが、いきなりフックラインを処理しなければならなかった。「強く攻めて3パットになったら、自分で流れを壊すことになるから、タッチを合わせていこう」と決断したこのパットがラインに乗って決まった。続く2番でも2メートルのフックラインが、また決まった。6番(パー5)は50センチにぴったりついて問題なくタップイン。7番では、今度は3メートルのスライスライン。これは得意のラインで自信をもってストロークできた。9番では6メートル。またフックラインだった。
前日は「ベタピン以外のパットはほとんど決まらなかった」とこぼすシーンがあったが、この日はチャンスを次々にモノにして前半9ホールで5バーディと突っ走った。
ハプニングに出くわしたのが12番ホールだ。ドライバーでのティーショットは右サイドの池を越えベストポジションをとらえたかに見えたが…。いってみると、ボールはなんとフェアウェイにある1本の松の根っこにへばりついているではないか。
左打ちで横に出すことしかできなかった。こうした不運がプレーの流れを変えてしまうことがある。堀は、さらりと受け止めていた。「ラッキーなこともあったのだから、一度ぐらいの不運があっても仕方ない」と―。このホールをボギーにしたが、そのままズルズルと後退することはなかった。14番ホールで第2打を2.5メートルにつけるバーディで12番ホールの不運を帳消しにした。
悔やんだのは最終18番の第2打だった。「セミラフからの第2打でカット気味に打つか、しっかり打つか迷ったすえにしっかり打つ方を選んでグリーン左にオーバーさせてしまったんです。あれは、判断ミスだしクラブ選択ミスで避けられたものでした。もっとしっかりマネージメントをしていればボギーにはならなかったと思います。凡ミスの部類ですから、なおさら口惜しい」。
それでも前半の貯金が大きく、ただひとり連日の60台で通算9アンダーパーまでスコアを伸ばした。
トップでスタートした永峰咲希(宮崎日大高校3年)が「ティーショットが曲がりっぱなしで、修正できないまま終わってしまった」という4ボギーで77とスコアを崩したこともあって、堀は2位に4打差をつけて最終ラウンドを迎えることになった。
「明日も、落ち着いて、心に波風立てることのないように自分のペースでいきます」。
ラウンド後の最終チェックは、タッチをつかんだフックラインのパッティングストロークの確認であった。
|