前年優勝者の松原由美(大阪市立白鷺中学3年)は前半9ホールを2アンダーパーで折り返し、10番(パー5)も第3打を3メートルにつけるバーディという快ペースでプレーしていた。思いがけない落とし穴にはまったのが12番(パー4)だった。ティーショットに3番ウッドを手にして右サイドの池越えにフェアウェイを狙ったのだが、この池につかまってしまったのだ。
「越えると思ったのですが、風の読みが違っていたようで…」結局、このホールをダブルボギーにしてしまった。そしてさらに悔しがったのが続く13番(パー5)の取りこぼしだった。
「前のホールのミスが尾を引いてしまって、バーディチャンスも作れないままパーで終わっ
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てしまいました」。
救いは、17番(パー4)で8番アイアンの第2打をピン左1.5メートルにつけてのバーディ。ダブルボギーの後遺症をこれで断ち切った格好になる終盤の立ち直りだった。
この夏、全米女子アマチュアゴルフ選手権に挑み、クオリファイングラウンドを大会レコードタイ記録で突破した。マッチプレーでは2回戦で惜しくも敗退したが、現在日本アマチュアゴルフランキングでトップに立つこの中学3年生の存在を強く米国のゴルフ関係者や選手たちにアピールしてきた。
帰国して勉強とゴルフ。そしてディフェンディングチャンピオンとして臨んだ日本ジュニア。連覇への思いに水を向けると、意外とも思える答えが返ってきた。「結果は気にしていませんし、連覇したいという気持ちもあまりありません。それより、自分が目指すゴルフをどこまでやれるか。それを大事にします」。
松原が目指すゴルフとは‐。
「どんなコースでもオーバーパーは叩かない。パー5で2ホール以上バーディを奪う。それを目標にやっています」。
実は、12番ホール以外にもピンチはあった。2番(パー4)では第2打をバンカーに打ち込み、そこからのショットもエッジまで出ただけ。しかし、ここからチップインでパーにしのいだ。3番(パー5)でも第3打でグリーンをとらえられず、小技でパーをセーブした。こうした粘りは「オーバーパーは叩かない」という目標に沿えるものだ。ところが、5つあるパー5ホールでのバーディは10番の1ホールだけ。松原には、これが気に入らなかったようで、目指すゴルフとの開きが大きく、流れを作れなかった第1日ではあった。
「明日は、10番ホールからのスタートですから、すぐに12番を迎えます。あのホールでリベンジして、いい流れを作ってプレーします」。
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