中学1年生で初出場した本部門で3位、優勝を狙ってトップ発進した昨年は4位タイ。勝みなみ(鹿児島市立長田中3年)は、今年こそ「絶対に勝ちたい。本当に勝ちたい。どうしても勝ちたい」という強い気持ちで大会に臨んできた。日本女子アマチュアゴルフ選手権競技が終わってからの夏休み、平日は練習場、土日はラウンドとゴルフ漬けの毎日を過ごしてきた。
「もっとボールをしっかりとつかまえて強い弾道のショットを打ちたい」とスウィング調整にも取り組んできた。それまでのオープンスタンスからクローズドスタンスに替えて打ち込んだ。ところが、しだいにつかまりすぎて左に飛び出すショットが出はじめ、スコアメイクに苦しむようになってしまった。
大会初優勝に赤信号か?
不安材料を抱えたまま会場である霞ヶ関カンツリー倶楽部に入り、練習ラウンドを行うことになった。スタート前、東京の知人がドライビングレンジまで同行してくれた。この知人の夫人が女子プロで勝の悩みになんとか解決のヒントを…と、練習ラウンドについてきてくれたのだという。そして、アドレスで腰や肩のラインまで右を向いてしまっていることを指摘された。ここを矯正したところ、俄然ショットが安定してきて、練習ラウンドも気持ちよくプレーできたそうだ。
自信も取り戻して迎えた第1日、ショットは好調で4バーディを奪った。ボギーはなし。4アンダーパーでのホールアウトとなった。ゴルフの内容には納得していた勝だったが、スコアには満足していなかった。
「3メートルから5メートルぐらいのバーディチャンスが、あと5、6ホールあったんです。決め切れませんでした。もっと伸ばせたはずなのに…」
それでも2年連続のトップ発進で、ライバルの姿も明確に描いている。現在女子アマチュアランキングのトップにいる松原由美だ。
「由美ちゃんと最終ラウンドに最終組で一緒にプレーして勝ち、優勝したい」。勝の今大会への思いは、ただの願望ではなく、実に具体的に頭の中に描かれている。
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