「連覇という結果はうれしい。でも3日間のゴルフを自己採点すると70点ぐらいで口惜しい」。
JGAが主催となって19回目を数える本選手権の女子12~14歳の部で史上初の連覇達成だというのに、松原由美(大阪市立白鷺中学3年)の表情に達成感や喜びが現れることはなかった。話もつい反省の弁のように聞こえてしまう。
「4番(パー3)では3パットしてしまったし、バーディを狙いたいパー5の6番ホールではパーオンもできなかったし…。こういうゴルフをやっていると、その先に明るいものが見えてきません」。
最終ラウンド最終組でのプレー。同じ組に1打差からの逆転を狙う関西ジュニア優勝者の西畑萌香がいた。「
彼女とは、小学生のときから同じ競技会に出場していたし、仲良しです」(松原)という関係だが、今大会は直接対決となった。2番で松原が右奥5メートルのバーディパットを沈めて先行する。その差2打。そして、ここでの差は、最後まで縮まることはなかった。後半はともに2アンダーパーの35と互角の戦いを続けたものだった。
「西畑さんがいいゴルフをしていたので、私ももっとスコアを伸ばしたかった。でも、攻める気持ちが強すぎてポカをやれば、自分から相手に近寄っていってしまうので、慎重になったところもあります。でも、そう考えてしまったり、実際にやってしまうところが、自分の目指すゴルフスタイルと違ってしまっているんです。いつも、自分のプレーをする。目の前の1打で出来ることをする。ベストを尽くす。そうやって結果を待ち、受け入れるのが、自分の目指すところなんです。どの大会でも最善を尽くす。自分で納得のいくゴルフをする。そういう意味で、納得できないプレーがあったので70点なんです」。
中学3年生で日本の女子アマチュアランキング1位の座にいる松原である。ゴルフに妥協はない。
結果を喜んだのは、最終18番ホールのグリーンで西畑から「優勝おめでとう。ナイスプレー!」と祝福された一瞬だけだったのでは、あるまいか。
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