第1ラウンドで首位に躍り出たのは、伊藤有志(東北福祉大学1年)だった。
この日は前半から距離のあるバーディチャンスがよく決まった。2番で6メートル、5番で8メートルのバーディパットを沈め、6番(パー5)でもバーディを奪った。その後9番でボギーを打ってしまい、「おかしくなってズルズル」いきそうと不安を抱えて後半のプレーに入ったが、ピンチを耐えてパーを重ねていくと、終盤に大爆発した。
まず14番でバーディを獲ると、16番で6メートル、17番で8メートルのバーディパットが次々と決まった。圧巻は最終18番ホール(パー5)。残り208ヤードの第2打を3番アイアンで見事に2オンに成功。5メート
ルのイーグルパットも沈めて見せた。最後は同伴競技者も応援してくれた。
上がりの5ホールで5ストロークスコアを伸ばし、7アンダーパー65でホールアウト。日本アマチャンピオンも大きくスコアを落とす難コースの加古川ゴルフ倶楽部を見事に攻略して、2位と3打差の単独首位の好スタートを切った。
「グリーンの速さが自分のタッチと合っていた。このコースは好きです」と破顔一笑で今日の完璧なプレーを振り返る伊藤。スタート前は「1アンダーパーか2アンダーパーが目標」だったが、その予想を大幅に上回る会心の1日。
しかし、伊藤に「いいスタートを切れたが」と話を向けると、「いえいえ、たまたまです」と謙虚な受け答え。本選手権初出場で単独首位に立っても、明日以降も平常心で挑む。スコアの伸ばしあいの様相を予感させる1日目を終え、残り3日間で伊藤はさらに好スコアをマークして、この貯金を最後まで活かすことができるのか、注目だ。
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