松原大輔(日本大学1年)と小西健太(東北福祉大学1年)は、ともにJGAナショナルチームメンバーとして研鑚を積んできた。高校時代から注目されてきた2人は、初めての日本学生を通算9アンダーパーの2位タイで終えた。
松原は、出だし1番で106ヤードのセカンドショットを1.5メートルにつけてバーディ発進を決めると、3番(パー5)、5番でも135ヤードをピッチングウェッジで1.5メートルに乗せて3バーディとスコアを伸ばす。しかし、6番(パー5)で2オンを狙った2打目をグリーン左のラフに外し、アプローチを寄せきれずボギーを叩いて「せっかくの良い流れを止めてしまった」と悔やむように、7番から3ホール連
続のバーディチャンスを決めきれずに前半を34で終えた。
後半も10番でバーディを奪ったものの、その後はスコアカード通りのプレーで17番を終える。「それまで4メートルぐらいのチャンスは結構あったのに…」ともどかしいプレーに溜飲を下げたのは最終18番だった。「18番のティーショットを打つ前に、自分が1打差にいることは何となくわかっていた」という松原は、このホールで2オンを果たし、7メートルのイーグルチャンスを迎える。「これを決めれば、逆転も…」と狙ったこのパットは、上り傾斜のスライスラインをホールに向かっていく。
一瞬の静寂に続いたのは、松原の溜息だった。このパットを決められなかった松原は、5バーディ・4ボギーの68でホールアウト。1打差2位タイで本選手権を終えた。「ショットは良かっただけに、パットを決めきれなかったのが…」と悔しさをにじませる松原。しかし、「4日間、優勝とかスコアとかを気にせず、目の前の1打に集中することができたと思う。
もちろん、すべてでそれが出来たわけではないけれど、大きなミスをしても、パーセーブをすることができた」と、この試合のプレーには満足していた。
首位と1打差3位タイからの逆転優勝を狙っていた小西は、4番でボギーが先行する苦しい展開を強いられた。「今日は、スコアを伸ばしていかないと勝てないと思っていたので、バーディを狙っていった」だけに、1メートルのパーパットを外してのボギーは、予想外だった。チャンスはありながらも「2メートルとか4メートルのバーディパットを3回外してもったいなかった」と流れをつかめないまま、8番でボギーを叩き、「前半で2ボギーは痛かった」と、肩を落とす。
前半を終えた時点で首位とは3打差。まだ逆転のチャンスは残されていただけに、「後半は全ホールでバーディを狙っていった」。その言葉通り、鬼気迫るプレーは5バーディにつながったが、2ボギーを叩いてしまい、結局は6バーディ・4ボギーの70でホールアウト。初優勝には1ストローク足りず、2位タイに終わった。
悔しさも残る本選手権だが、「4日間、ピンを狙って逃げずにしっかりと打って、2位という結果に結びついた」と満足できることもある。
日本学生の初優勝は逃したが、今年はもう一つ大きな目標が残っている。「アジアアマで優勝してマスターズにいきたい」大学の先輩でもある松山英樹の後を追いたいと願う小西。
「今週9アンダーパーでは、まだまだです。もっと自分をレベルアップさせたい」と話す。そのためにも理想とするスウィングを1日でも早く自分のものにしたいところだ。
|