首位と5打差でスタートした村山駿(東北福祉大学2年)は、「5打差あったので、勝とうと思ってはいたが無理だろう」と思っていた。前半攻めて4バーディを奪い、「後半頑張ればチャンスはある」と集中力を切らさなかった。
10、16、17番とバーディを奪い、この時点で通算10アンダーパーに到達し、18番のティーインググラウンドで首位の梅山知宏と並んでいることを知らされた。「梅山さんはまだパー5を残しているので、バーディを獲ってくる」と思い、最終ホールでバーディを狙いに行った。結果はパーで、通算10アンダーパーでホールアウト。「良くてプレーオフ。負けたかな」と思いつつも、後続の結果を待っていた。
その梅山は15番でボギーをたたき、16、18番のパー5でもバーディを奪えず、村山の優勝が決まった。村山は「現実味がない」と実感が沸かない。これまで2010年の中国ジュニアゴルフ選手権に優勝しているが、昨年の日本学生は5位タイなど、タイトルは無縁。本選手権で初の日本タイトルを獲得した。
東北福祉大学には「強い先輩が多いので、その中で勝てたことは自信になる」とこれからの活躍が楽しみだ。また、今大会2位の小西健太や第1ラウンドから首位を走っていた伊藤有志などの後輩たちもいる。「先輩に負けるのと、後輩に負けるのとは違う。特に小西君にはジュニアのころから負けているので負けたくない」と後輩たちには負けられないという強い意地をみせた。
この優勝でアジアパシフィック パナソニックオープン(9/26~29 茨木)、日本オープン(10/17~20 茨城GC・東)の出場権を獲得した。大学の先輩、松山英樹は「あこがれ。雲の上の人」というが、その松山の名が刻まれているトロフィーに自分の名を刻んだ。偉大なる先輩に続いていけるように、これからも精進してほしい。
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