首位と3打差に21名の選手が名を連ねる大混戦で幕を開けた本年の日本ミッドシニアゴルフ選手権。強豪もしっかりと逆転優勝を狙える順位につけている。1打差の3位タイにつけているのは、2010年大会チャンピオンの小川透(岡部チサン)と昨年大会4位の石井幹(千葉桜の里)。
小川は、練習ラウンドから警戒していた11番をパーで凌ぐと、その勢いに乗って13番(パー3)で6番アイアンのティーショットを2メートルにつけてバーディが先行。15番(パー5)で1.5メートル、17番で2メートルを決めて3アンダーパーまでスコアを伸ばす。しかし、内心は「ティーショットが左に出てばかりで…心配しながらプレーしていた」と好スコアとは裏腹な心理状況だったという。その不安が露呈したのが18番。ティーショットを左の深いラフに打ち込んでダブルボギーを叩くと、ハーフターン後の2番でもまたもやティーショットを左にミスして、この日2つ目のダブルボギー。4番でも5メートルのバーディチャンスを3パットのミスでボギーを喫した小川は、8番で2メートルの下りスライスラインをねじ込んで、本選手権2度目の優勝に望みをつないだ。「前半はグリーンのタッチもあっていたけれど、後半に入ると徐々にラインとタッチが合わなくなって…」と、後半の失速を悔やむ。それでも、3年ぶりの戴冠に向けて1打差3位タイと好スタートだが、小川本人は、「いやぁ…」と言葉を濁す。もちろん、2度目の優勝を狙って明日の最終ラウンドをプレーするのはもちろんだが、まずは、各選手が口をそろえる「パッティング」で、どれだけタッチを掴めるか。そこに小川の逆転優勝がかかっている。
出だしで好スタートを切った小川と対照的だったのは、石井。スタートの10番でティーショットを右にミスしてボギーを叩くと、11番もまたもやドライバーショットが右に曲がり連続ボギー。14番では右の林に打ち込むミスで前半を3オーバーパーで終えた。石井らしくない前半の不調は、昨日の練習ラウンド終了後のクラブ調整に原因があったという。「練習場で球を打っているときに、ドライバーのグリップが劣化してきていると感じて、グリップ交換をした」ため、前半はフィーリングが合わなかったのが、ティーショットの右へのミスを生んでいたのだ。ホールが進むにつれて新しいグリップになじみ始めた石井は、後半に入って本来の実力を発揮し始める。2番でフェアウェイからの70ヤードのセカンドショットをサンドウェッジで1メートルにつけてこの日初バーディを奪うと、5、8番でもバーディ。しかし、一気にスコアをイーブンパーに戻して迎えた最終9番(パー5)でアプローチをミスして思わぬボギー。「あれはダメだよ」というミスで首位タイスタートを逃してしまった。石井は2000年の日本アマでベスト32に入るなど、これまで全国大会で上位にはつけるものの、優勝はない。初優勝へのチャンスが巡ってきた本選手権。是が非でも優勝を勝ち取りたいところだ。
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