イーブンパーの首位タイでスタートしたディフェンディングチャンピオンの松本新語(久米)は前半、苦しいゴルフを強いられた。この日10番からスタートした松本は、13番で2打目のライが悪くボギーが先行すると、14番でバーディを奪い返したものの、16、17番と連続ボギーで前半を2オーバーパーで終える。途中、「厳しいゴルフだよ」とぼやいていた松本を苦しめたのは、ティーショットの不出来だった。「ドライバーを左にミスするのが多くて…少しアドレスを決めづらいホールもあるし…」と、後半に入っても3、4番でこの日2度目の連続ボギーで一時は4オーバーパーまでスコアを落とす。
しかし、ここで松本を救ったのは、正確なアイアンショットとパッティングだった。5番で145ヤードのセカンドショットを8番アイアンで50センチにつけると、圧巻は終盤3ホール。7番(パー5)で2メートルを沈めて「このバーディで今日は73ぐらいでいいかというイメージが出来て。それから気が楽になった」と、8番では7メートルの下りのフックラインをねじ込み、9番では2メートルを確実に決めて3連続バーディでフィニッシュ。今日の松本は、5バーディ・5ボギーと出入りの激しい内容ながら、パープレー。通算イーブンパーで2位に3打差をつけて大会連覇に王手をかけた。
「今日は体が重かった…まぁ、グリーンが難しいけれど、パッティングが良いのでダブルボギーが無いのがね。ピンチも厳しいパットが入っているし」と飄々と語る松本。得意のパッティングが「このコースはタッチが合っている」というのだから、同伴競技者から「松本さんのパットは神だよ」とこぼすほど、よく決まる。それでも松本は、「ドライバーショットの左のミスがね…ここはティーショットで3番ウッドを使っても攻略できるホールが多いから、そこは明日の自分の調子によって、使うクラブを切り替えていきたい」と、さらに後続を突き放しての大会連覇を狙い、戦略を思い描く。
明日、日本シニアオープンローアマチュアと日本シニア優勝の2冠を賭けた松本のプレーに注目だ。
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