全米オープン出場権をかけた最終予選の日本開催は、今年で9回目となるが最後の枠を巡る争いは、毎回のようにプレーオフに持ち込まれる。それは今年も例外ではなかった。通算2アンダーパーの4位タイでホールアウトした塚田好宣と小林正則。そこに最終9番ホールでバーディを奪った藤田寛之が加わり、3人のうち2人が出場資格を得るプレーオフが行われた。その1ホール目、小林がボギーを叩いて勝負はあっけなくつき、塚田と藤田が出場資格を勝ち取った。
初の全米オープン出場となる塚田は、第1ラウンドで2オーバーパーと出遅れたが、「根拠のない自信なんだけれど、行けると思っていた」と後半に猛チャージを見せる。第2ラウンドの
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前半で「3アンダーパーで回れれば、チャンスはある」と踏んでいたが、それを上回る4アンダーパーで、その根拠のない自信が現実につながった。「いつかは出たいと思っていた」という、全米オープン。「まさか、それが今年だとは…」と、自信が確信に変わることはなかったようだが、今年ツアー開幕戦で初優勝を飾った塚田は、「いい方に回っている」と、勢いに乗って全米オープンに乗り込む。
一方、昨年に続き、4度目の全米オープン出場を果たす藤田だが、今年は苦戦した。昨年初金王に輝きながら2月に肋骨骨折の怪我を負い、充分な調整が出来ないまま臨んだマスターズで予選落ち。国内でも予選落ちを喫するなど、なかなか調子が上がってこなかったが、日本プロでようやく復調の兆しを見せて臨んだ最終予選。第1ラウンドは9番でイーグルを奪うなど2アンダーパーで5位タイと通過圏内にとどまったが、後半のラウンドでスコアを伸ばせず、ギリギリのプレーが続く。16ホール目にボギーを叩き、一度は通過圏外に落ちた藤田だったが、最終9番で起死回生のバーディで通算2アンダーパーとし、プレーオフに滑り込み、薄氷の思いで4度目の全米オープン出場を勝ち取った。「毎年、全米オープンに出場できている。でも、今はその喜びよりも、出場してからどうするのか…」と、メジャーの中でも屈指の難しさとして知られる全米オープンに、いかに挑戦していくかに視線は移っている。「全米の難しさは知っている。自分のゴルフでは歯が立たない。うまくいってトップ10に行ければ…」全米オープンが夢の舞台ではなく、目の前の現実として受け入れている藤田だけに、その言葉の意味は重い。それでも、昨年の日本ツアー賞金王として、藤田の双肩にかかる期待は大きいのも事実。藤田自身もその期待はわかっているだけに、否応にもその口は重くなっていた。
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