地元・広島開催での大会に意欲を見せていた出本珠美(瀬野川CC)は、首位と2打差の3位タイで第2ラウンドをスタートした。しかし、この日は前日より調子が良くない上に、風が強く吹く中で、距離の判断ミスもあり、スコアメイクに苦しんだ。それでも前半を終えた時点で通算6オーバーとこらえ、この時点では首位の三木逸子に1打差と迫っていた。このあたりは、過去に数々の輝かしい実績のある彼女の真骨頂というところだろう。
勝負は後半に入ったが、三木がスコアを落とさない。「パッティングがすごく悪かった」とこの日を振り返った出本は、2オーバー38とし、通算8オーバーで2位に終わった。それでも強風の難しいコンディションの中、この日全選手中1ラウンド最多の3バーディを奪ったのはさすがだ。実力の片鱗を見せてくれた。
「ぜひ欲しい」タイトルだった日本女子シニアの優勝は、来年までお預け。それは彼女のモチベーションも保つことになるかもしれない。
一方、前日まで首位に並んでいた花井正子(新南愛知CC美浜C)は、1番(パー5)で第3打をピン手前1メートル弱につけ、バーディを奪い幸先いいスタートを切れた。同じ組で回る三木がダブルボギーを叩いたのとは対照的だった。これで単独首位に立ったわけだが、その後が続かなかった。バンカーに入ったショットが「目玉」になっていたりする不運もあったが、7番、9番といずれもトリプルボギーを叩き、首位の座を明け渡した。「やっちゃいましたぁ」と苦笑いだ。
後半も4ボギーと精彩を欠き、結局通算11オーバーで河田圭子(岡山金陵CC)と並んで3位タイとなった。今回が本大会3回目の挑戦ではやくも優勝に手が届くところまで来た。最終日最終組は歴代チャンピオン3人(三木、田中真弓、林恵子)とのプレーだった。この経験はきっと来年に活きてくるだろう。
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