雷雨によるサスペンデッドでホールアウトできなかった選手がいる中で、午前中スタートの佐藤耀穂(埼玉栄高)はボギーなしの5バーディで67をマークして早々とクラブハウスに引き上げてきた。
「ショットは、特別冴えていたわけではなかったのですが、ミスショットをしてもアプローチで1.5メートルぐらいに寄せることができて、そのパットも沈められました。我慢できたことが、バーディにつながったと思います」
そう第1ラウンドを振り返る佐藤は埼玉栄高校の3年生。172センチの長身から平均250ヤードというドライバーショットを武器にしている。アイアンショットのコントロールもよく、ファインショットがグリーン狙
いにまでつながっていく。
10番からのスタートで、360ヤードの12番(パー4)では3番アイアンでのティーショットを8番アイアンの第2打(140ヤード)につなげて4メートルにつけての最初のバーディを決めた。前半は、このバーディひとつだけで、残る8ホールはすべてパーだった。佐藤が「我慢のゴルフ」といったのは、この展開のことだった。後半にターンすると、3番で2メートルにつけたのをはじめ6、8、9番とバーディを重ねて5アンダーパーでのフィニッシュとなった。
パッティングでストロークが安定し、タッチが合ったのには、5月のアクシデントが不幸中の幸いになったのかもしれない。アクシデントとは、腰痛だった。1週間はクラブを握れなかった。できたのは、パッティングだけ。それも30分に限定してのものだったという。
でも、それしかできないとなると、できることだけに集中せざるをえない。高校選手権の団体で「チームに迷惑をかけたくない」という思いが通じて、レギュラーとしての責任を果たした。パッティングも、集中力アップ、ストロークの安定性ともアクシデント前を上回る状態になっていた。
武器をひとつ増やした佐藤は、「2011年大会のベスト8を上回る成績で高校生活最後の日本女子アマを締めくくりたい」とはっきりした目標をもって大会に臨んでいる。
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