12番まで3upと優位にたっていた蛭田みな美(石川高)の流れが、そこから一転した。1回戦で吉音羽(やまがたGC美山)を5and4で一蹴したあとの2回戦である。伊藤栞奈(千葉国際)の連続バーディという逆襲もあった。1upとなって迎えた17番(パー4)でマッチは振り出しに戻るのだが、このホールは蛭田が自分でトラブルを招いてしまっていた。ドライバーショットを引っ掛けて左林に打ち込む。その林の中に入ってみるとボールは松の根にへばりつくように止まっていた。右では打ちようがない。苦肉の策で選択した左打ち。クラブヘッドはボールに当たったものの、木に跳ね返ったボールに直撃されて自打球を当てたことへのペナルティーも加わってトリプルボギー。このホールを失ってのオールスクェアだった。18番をともにパーで分けて、マッチはエキストラホールへと進んだ。19ホール目でようやく伊藤を振り切った蛭田。初めてのマッチプレー。初めてのエキストラホール。果たして、どんな感想を聞けるのか。
「マッチプレーもエキストラホールも、ちょっとドキドキしたり、かつてないほど集中出来たり…で、楽しかったです」。
このおおらかさが、蛭田のいいところだ。「追い詰められるのも、それはそれで楽しい。なんだか特別の力が湧いてくるようで、いつもと違う自分が見られる感じがします」。
準々決勝では、メダリストの権藤可恋(佐賀)との対戦が決まった。それさえも楽しみだという。「強敵というより、権藤さんはゴルフのレベルが高く、調子もいいんでしょう? そういう相手とのゴルフで、どんな自分が出てくるのか。ドキドキというよりワクワクしています」。
この性格、いかにもマッチプレー向きといえるだろう。
|