連覇を狙っていた森田遙(坂出)、最後の日本女子アマで有終の美を目論んでいた堀琴音(兵庫県連盟)。二人のビッグネームが、相次いで1回戦でコースを去ることになった。
権藤可恋(佐賀)に敗れた森田は涙を浮かべながら自分を責めた。
「調整の失敗です。この大会に入って、力んでいるという自覚があり、なんとか(スウィングの)タイミングを取り戻そうと、あれこれやってはみたのですが、どれも効果がなく、最後は、どう修正すればいいのか、それさえもわからなくなってしまって…」。
自分のゴルフどころではなかった。ティーショットを林に打ち込んでは、いったん脱出させて、そこからグリーンを狙うというプレーが続き、相手に
勝ちを進呈するホールが多かった。ステディーなゴルフが身上の森田から、それが失われては、勝ち目はなかった。自滅の格好でズルズルと敗れ去ってしまった。
「この大会にピークを合わせられなかった自分がいけないんです。ショット調整、やり直します」。
堀もショットに不安を抱えていた。クォリファイングラウンドでは、ラフからのリカバリーがうまくいき、スコアをまとめてきたが、マッチプレーでは、曲がり幅が大きくなっていた。そして、もうひとつの敗因は精神面にあると自己分析していた。「マッチプレーということを意識せずにプレーしようとしたのですが、いざ本番になると、相手のゴルフが気になってしまって…。グリーンのどこからでもカップに入れてくるような気がして、気持ちの上で追い込まれてしまって…。バーディもたった1個ですから、よくエキストラホールにまでいけたなっていう内容です。もっと精神面でタフにならないといけないでしょうし…。これでアマチュアは卒業でプロテストのファイナルということになりますけど、こんなゴルフではやばいです。ファイナルまで1カ月しかないから、気合を入れて練習しないと。マッチプレー。結局、最後まで馴染めませんでした」。
ビッグネームふたり、そう言い残してコースを去っていった。
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