橋本千里(東名古屋)の長い、長い2週間が終わった。全米女子オープン予選突破で4ラウンド。現地の月曜日に空路帰国の途についたが、出場権をつかみ、エントリーしていた本選手権は火曜日からの開催とあって、時間的に間に合わない。いったんは欠場を届け出ていたが、本選手権は、雷雨のために開幕が1日順延された。それなら、出場できる。急きょ大会本部に連絡をして、いったんエントリーを取り消しても再エントリーが可能かどうか、問い合わせた。大会本部ではクォリファイング第1ラウンドのスタート時間までに会場の大洗ゴルフ倶楽部に移動が可能であることを確認した上で、出場を認めた。
ぶっつけ本番となったクォリファイングの
2ラウンドを通過してマッチプレーに進み、1、2回戦、準々決勝、準決勝と戦い続けて、最終日の3位決定戦。全米女子オープンの72ホール、本選手権ではストロークプレーの36ホールとマッチプレーの延べ86ホール全て合わせると、この2週間で192ホールを戦い抜いた勘定になる。
最後の3位決定戦が13ホールで決着すると「こんなにまとめてゴルフをしたことはありません。さすがに疲れました」と、勝利の喜びよりも安堵の声を漏らした。雨の中で始まった三浦桃香(フェニックス)との3位決定戦。「1番で3パットをして分けてしまった以外は、自分のゴルフができました」と橋本。「雨でグリーンも重くなっていると思って強めにヒットしたら、意外に転がりがよくて…」というのが、3パットの原因だったが、それを教訓にしたスピードを合わせることで、本来のタッチをすぐに取り戻せたという。8、9番とそれぞれ3メートル、7メートルを決める連続バーディで5up。大勢は決した。12番でもバーディを奪って6up。ドーミーホールとなった13番も三浦がボギーを叩いて7and5の勝利が決まった。「ゆっくり休みたい。いま一番やりたいことは、それです」決着後の弁であった。
敗れた三浦も、大敗にさばさばした様子だった。「今日は、ドライバーを使って自分本来のゴルフスタイルで臨みました。ドライバーショットは、(スタート前の練習で)かなり修正ができていて、まっすぐに飛ばせたのですが、今度はパッティングがどうにもならなくて、やっぱりやりたいゴルフはできませんでした。橋本さんはショットの正確性はもちろんですが、アプローチショット、パッティングのショートゲームが本当に上手で、自分とのレベルの違いを痛感させられました。準決勝と今日の3位決定戦は、これからのために本当にいい勉強になりました。宮崎に戻って猛練習したいと思います」
両者ともに日本女子オープンへの出場権を与えられている。そこでは、さらにレベルアップしたゴルフを見せてくれるだろう。楽しみだ。
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