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Championship Reports
競技報告
【初優勝の蛭田は「福島県の皆さんに酒井さんとともに嬉しいニュースが届けられた」と満面の笑み。佐藤は、28ホール目のティーショットミスを嘆く】
第6日 競技報告:塩原義雄 写真:Y.Watanabe
蛭田みな美
決勝の36ホールマッチ。前半の18ホールは、佐藤の流れで進んでいた。2番で先手をとり、オールスクウェアになるシーンはあっても、蛭田にリードを許すことはなく、佐藤の1upで後半に備えての短いインターバルに入った。

蛭田は軽食を口にすると、練習グリーンに向かった。パッティングに違和感があった。狙ったラインにボールを打ち出せない。「それでいくつかのバーディチャンスを決められなかったことはわかっていました」。そこで、狙ったラインに、打ち出せば決まるのかどうかを確認したかったというのだ。結果は、思っていたとおりだった。
「だから、後半はゴチャゴチャ考えずに、入れることだけに集中できるようになりま
佐藤耀穂
した」。
一方の佐藤は、本選手権を徹底したマイペースで決勝まで勝ち上がってきた。その流れが、36ホールマッチの前半、いや、後半の27ホールまで続いていた。22ホールを終えたところで、佐藤のリードは3upにまで広がっていた。
前夜、蛭田は、1本の電話をもらっていた。相手は、福島県の先輩であり、県の夏季合宿でアドバイザーとして蛭田を含むジュニア選手たちを指導してくれていた酒井美紀のお父さんだった。

女子ツアーのアースモンダミンカップで戦う酒井は好調で、プロ初優勝に手が届くところにいた。
「36ホールマッチでは、最後の9ホールが勝負だから、そこに向けて集中していけ。そう言われました」。
実は、この「最後の9ホール…」というのは、酒井が優勝した2010年大会の決勝前夜、前年大会優勝者の藤本麻子から酒井がメールをもらったときの内容と同じだった。このときは「勝負は27ホールを終えたところからだ!」とあった。
同じことを、今度は酒井の父親が福島の後輩・蛭田に伝えたかったのであろう。

24ホール目で流れが動き出した。蛭田の3メートルのバーディが決まる。続く25ホール目のパー5でも第3打が2メートルについて連続バーディで佐藤のリードは1upに。そして、「27ホールを終えたところから」という28ホール目から蛭田は3ホールを立て続けに奪って一気に2upへと逆転した。エンジンのかかった蛭田に対して、佐藤のショットは逆に曲がり始めた。28ホール目の10番パー5では右林に打ち込んだ。出すだけからのボギーとなって、このホールを失い、あれだけ淡々とプレーしていた佐藤の心が揺れる。

「林に打ち込んでしまったところで、なんとなく流れを相手に渡してしまったような気になって…。体力的にも、ちょっときつくなっていました」
31ホール目もグリーンをはずした。蛭田が獲ればドーミーとなった33ホール目はパーで分けてしのいだが、ドーミーホールとなった34ホール目の16番パー3では、蛭田の1オンに対して逆風にボールを戻された佐藤のショットはグリーン右手前のラフ。セミロブショットの技を駆使してパーセーブしたものの、蛭田は2パットのパーにまとめて、決勝マッチは決着した。

確かに勝負は「27ホールを終えたところから」であった。初出場で優勝を果たした蛭田、その蛭田に終盤突き放されてランナーアップとなった佐藤。表彰式が終わるときには、女子ツアーで酒井がプロ初優勝を達成―のニュースが届いた。福島県勢のプロとアマ同時制覇だった。

「今日は、県の皆さんに、ちょっと明るいニュースを提供することができたと思います。優勝も嬉しいですが、酒井さんと同時優勝というのが、なんか特別のことのようで、嬉しさ倍増です」。
「みなみ」といえば、勝みなみ。こちらの蛭田は呼び名は同じでも漢字が混ざった「みな美」。
父親の命名だという。「なんでも、夢の中で観音様からお告げがあったとかで、わけがわかりません(大笑)」
こちらのみな美も、これから一気に注目される選手に躍進していくことだろう。

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