第2ラウンドを終えて、2位と7ストロークの大差をつけて単独首位に立った池田悠希(崎辺中学2年)。日本ジュニア初出場の池田は、これまで緊張はしなかったというが、さすがに最終ラウンド最終組でのスタート前には、「ちょっと緊張しました」と、少年らしいはにかみを見せた。それでも2番で残り75ヤードを58度のウェッジで1メートルにつけてバーディを先行させて、「このバーディは大きかったです。緊張がほぐれました」と、平常心を取り戻す。6番で2つ目のバーディを奪うと、8番でティーショットを右の林に打ち込んでボギーとしても、「ボギーの直後はパーをセーブする」という自分の決め事をしっかりと守り、崩れる様子は一切見せ
なかった。
後半も11番ボギーの直後に15ヤードのアプローチをロブショットで直接決めてバーディを奪い、15番のピンチもカラーとラフの境からのアプローチを「ここはボギーでも仕方ないと。へたにパーを狙いにいって、ダブルボギーを叩くのは絶対にやめよう」という冷静な判断が奏功し、チップインパーを拾う。16番ボギーのあともしっかりとパーをセーブし続けた池田は、初出場らしからぬ抜け目ない戦略に冴えを見せて、他の追随を寄せ付けず、通算6アンダーパーで優勝杯を手中に収めた。
「この3日間、パットが凄く良くて。チップインもあったりラッキーな面ももちろんありましたけど…」と謙遜しながらも、その顔には満面の笑みが浮かんでいた。池田は先の全国中学校ゴルフ選手権で3位に入ったものの、全国タイトルはこの日本ジュニアが初めて。163センチと小柄ながら、得意のドライバーは平均飛距離280ヤードを誇る。2020年の東京オリンピックに向けて、また一人楽しみな選手が出てきた今年の日本ジュニアとなった。
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