山岡成稔(日本大学4年)は、この日4バーディ・1ボギーの69。3アンダーパーで首位の松原に3打差の5位と好スタートを切った。山岡も松原同様雨脚が強くなり始めた時間に1番ホールをティーオフ。雨の影響から重くなったグリーンにタッチが合わず、3番(パー3)で6メートルから3パットのボギーを叩いてしまうが、5番(パー5)で105ヤードの3打目を50センチにつけて、すぐにイーブンパーに。8番(パー4)でも、残り100ヤードを1.5メートルにつけて、前半で1つスコアを伸ばした。後半も11番(パー3)でグリーン右ラフから15ヤードのアプローチを直接放り込んでチップインバーディを奪うと、13番も3メートルのフックラインを見事に読み切ってバーディ。この時点で3アンダーパーまでスコアを伸ばした山岡だったが、「ここで、もっとスコアを伸ばそう」という攻めの気持ちが裏目に出て、パーオンするものの、ことごとくピンハイで下りの難しいラインを残してしまい、パッティングを決めきれずに終わってしまった。それでも、5位スタートは、練習ラウンドでは、自分の調子もあまり良くなく、「どれぐらいのスコアになるか見当もつかなくて…」というほどだったのだから、満足がいく1日となったのだろう。
最終学年の山岡にとって、今年の日本学生が最後のチャンス。この最後のチャンスは、もう一つの意味を持つ。「絶対に日本オープンに出場したいのです。後輩の松原君が日本アマでメダリスト。同学年の堀川君も最終予選を突破しています。自分が日本オープンに出場するには、日本学生で優勝するしかない」。まだ一度も経験したことがない日本一のゴルファーを決する夢舞台。それに向かう強い気持ちが、山岡の心を奮い立たせている。その挑戦の舞台となっているスプリングフィールドゴルフクラブは、「こういうコースは好きなんです。OBがたくさんあるコースは苦手なのですが、ハザードが多いのは得意。コースマネジメントや球筋がスムーズにイメージできて」と、山岡にとって好材料。松原や堀川らに後塵を拝している山岡だが、得意なコースで彼らに一泡吹かせ、夢見る舞台に立つ資格を勝ち取るため、明日もスコアを伸ばして優勝争いに食い込むつもりだ。
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