小西奨太(大阪学院大学 3年)が2バーディ・4ボギーの2オーバーパー74とスコアを落としながらも、通算11アンダーパーで2位タイグループに3打差をつけて優勝した。
「すごくうれしい。自分のプレーをしようと思っていたけど、比嘉君が追い上げてきて、松原君も粘っていて、プレッシャーは大きかった。2人に比べて自分には経験がないので、ついて行こうと思っていた。自分が上にいてもミスをしないように心がけた」というように、一緒に回る松原大輔、比嘉一貴の2人は、小西より下級生だがジュニアのころからの実績は上だった。それだけに「今までこんなに緊張したことはなかった。終わったときは肩の荷が下りた」と安どの表情を浮かべた。
試合展開は、比嘉は2番から3連続バーディを獲り、さらに6番でもバーディを奪い、差をつめてくる。一方の小西は6、7番連続ボギーを叩いて、1打差まで詰め寄られた。しかし、小西は続く8番ホール(パー4)で残り165ヤードの第2打を6番アイアンで10センチにつける。この起死回生のショットでバーディを奪い、試合の流れを変えた。追いかける比嘉がこのホールをボギーとして、一気にその差を3ストロークに広げた。
後半は2ボギーを叩いたものの、比嘉、松原もボギーを叩き、差は縮まらない。それでも大舞台での試合経験が少ない小西には、余裕はない。「最後まで自分のゴルフをして、集中して」いた。3打差のままで迎えた最終ホール(パー4)も第2打をグリーン手前にショートしたが、このアプローチを寄せてパーでホールアウトした。
この優勝でアジアパシフィックオープン ダイヤモンドカップと日本オープンゴルフ選手権の出場権を獲得した。「将来はプロゴルファーになりたいと思っているので、正直まだまだダメですが、ツアーに出て経験をつんでいって、自分のゴルフが少しでもうまくなればいい」と期待に胸を膨らませる。小西は札幌光星高校の出身。先週の日本ジュニアゴルフ選手権競技では、後輩の片岡尚之が初優勝を飾った。本選手権8位タイの浜谷尚人(日本大学3年)も同級生と「刺激になりました。これからもみんなで頑張っていきたい」と北海道出身者の活躍が目立った、この2週間だった。
今後は「自分は飛ばないので、飛距離が足りない分、パットやショートゲームをプロのレベルに近づけたい」と将来の目標を語った。同じようなタイプのルーク・ドナルド、藤田寛之を憧れの選手に挙げる。いつの日か、彼がそのプロたちと一緒にプレーする日が来る。それはそう遠くはないかもしれない。
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