昨年大会2位の井上りこ(大手前大学3年)が5バーディ・2ボギーの3アンダーパーで昨年のリベンジに向けて首位タイと好スタートを切った。しかし、このスコアに井上自身が不思議がる。ショットが武器の井上は、パットが苦手と広言してはばからない。周りの友人たちからも「パットが…ねぇ」と言われるほど、井上は、これまでグリーン上で苦しめられてきた。
10番ホールからスタートした第1ラウンドは、その得意のショットが出だしから「パーオンは出来ているのですが、自分にとってのバーディチャンスの距離にはつけられていない」と、不安が残る内容だったという。その不安が的中したのか、15番で下り傾斜の2.5メートルのバーディチャンスから3パットのボギー。このミスで、さらにパッティングが疑心暗鬼となった井上は、続く16番でまたも下り傾斜の4メートルのバーディチャンスを迎えるが「前のホールの嫌な感触が残っていて、距離を合わせにいった」このパットが見事に決まって、一息ついて、前半をイーブンパーで終える。
井上にいつものショットの手ごたえが戻ったのは、後半4番(パー4)のセカンドショットだった。155ヤードを7番アイアンであわやチップインイーグルかというスーパーショットでバーディを奪って、波に乗る。5番で90ヤードを3メートル、6番では2メートルにつけて3連続バーディを奪ってみせた。8番でこの日2回目の3パットでボギーを叩いたものの、最終9番ではピン奥5メートルの「距離を合わせにいった」バーディパットが決まってバーディフィニッシュ。しかし、「今日は、ホールロケーションが比較的易しい位置だったので…まぁまぁです」と井上もまたこのスコアに満足できてはいない。出だしからショットが本調子であれば、もっと良いスコアも狙えたという気持ちが大きいのだろう。
「このコースは、大きな2段グリーンでショットが良くなければ、ヤバいです」と話す井上だが、後半に入ってのショットの復調には、仄かな自信もうかがえる。「4番からの少しずつ納得がいくショットが打ててきました。これで勝負ができる。首位タイスタートですが、今の順位は“だから何?”という感じ。最後に一番上にいないといけないわけですから、そのための勝負ができそうだという気持ちになれたということです」と、慌てることなく残り36ホールを見据えていた。
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