今年が最後の出場となる沖せいら(東北福祉大学4年)の成長を感じさせる第1ラウンドだった。
10番ホールからティーオフした沖は、いきなりボギーを叩く。しかし、11番(パー3)でピッチングウェッジのティーショットをあわやホールインワンの30センチにつけてスコアを戻すと、12番でも再び残り100ヤードを30センチにつけて連続バーディ。15番も1メートル。16番は10メートルの下り傾斜のバーディチャンスを3パットのミスでボギーとしたが、17、18番で再び連続バーディを決めて、前半を3アンダーパーで終える。「練習ラウンドから、自分は10番ホールから9ホールでスコアを伸ばさないと勝負にならないと思っていました。10番からは攻めやすいんですが、1番から9番までは、アップダウンも多くてショットのイメージも湧かなくて…」と感じていたので、このスタートダッシュはもくろみ通りともいえる。苦手の1番からの9ホールは、3番で4メートルのフックラインを読み切ってバーディを奪う。4番でボギーを叩いてしまったものの、5番ではハザードに打ち込んでのピンチ、7番も3メートルのパーパットを残したが、これをしぶとくパーで切り抜け、後半をパープレーで凌ぎ、首位タイ発進を決めた。
「ドライバーショットもフェアウェイを殆ど外しませんでしたし、得意の100ヤードぐらいのショットもピンに寄せられました」と、ショットの感触には満足げの沖。しかし、「パッティングが…3パットの見sが出たし、ラインが上手く読み切れなくて、タッチもまだあわせられていない」とグリーン上では、少し悩みが残り、「ノーボギーでホールアウトできなかったのは不満です」と満面の笑みとはいかなかった。日本女子学生では、1年生のときから出場を続け、初出場で12位タイ、翌年8位タイ、昨年は優勝争いを演じながらも3位と惜敗している。今年は、一段ずつ順位を上げている沖に残された最後のチャンスとなるが、沖に気負いはない。「高校のときにゴルフ部のキャプテンを任せてもらったとき、色々なことを考え過ぎてしまって調子を崩してしまいました。大学に進学してから4年、今では周りのスコアを気にして、自分も攻めようとか、そういう焦りのようなものはなくなりました。今できることを…自分のプレーをすることだけに集中することができています」と、泰然自若だ。
この落ち着きが、沖に初の全国タイトルを呼び寄せるか。
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