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2014年度(第21回)日本グランドシニアゴルフ選手権競技は14日、京都府の田辺カントリー倶楽部で第2ラウンドを行った。
2オーバーパーの単独首位で最終ラウンドをスタートした村上洋二(盛岡)だったが、初優勝へのプレッシャーからかショット、パットとも精彩を欠く。2番でボギーが先行すると、4番もボギー。5番(パー5)では、よもやのダブルボギーを叩き、完全にリズムを失った村上は、その後9番まで4連続ボギーを喫し、前半で8つスコアを落とし優勝争いから脱落。その間隙をぬって、優勝戦線に飛び込んできたのが、首位と5打差の15位タイにつけ、この日最終組から3組前でプレーしていた金澤正幸(白帆)。金澤は前半を1バーディ・3ボギーの38で終えると、後半も1バーディ・1ボギーのパープレーで堪え、この日2オーバーパーでホールアウト。通算9オーバーパーで後続組のプレーを待つ。その金澤を追ったのは、首位と3打差の3位タイでスタートした力岡一松(青山)。力岡は2バーディ・4ボギー・1ダブルボギーと、昨日に続き出入りの激しい内容ながら76にスコアをまとめ、金澤と同スコアで36ホールのプレーを終え、優勝争いは金澤と力岡のプレーオフにもつれ込んだ。
そのプレーオフは10番ホールで行われた1ホール目で金澤がパーセーブを決めたのに対して、力岡がダブルボギーを叩き決着。金澤が大逆転で初優勝を飾った。金澤は、65歳以上の日本ミッドシニアには昨年まで4度出場しているが、初出場の2008年大会での4位タイが最高成績。本選手権は今年が初出場で日本タイトル奪取の快挙達成に喜びもひとしおだろう。それも第1ラウンドの17番ホールでダブルボギーを打った瞬間に「今大会は、これで終わった」と覚悟したと言うのだから、この逆転劇には周囲も驚きを隠せない。
「今日はキャディのサポートにずいぶんと助けられました。それに、最大の勝因は無欲にありました」と謙虚に喜びを語る金澤自身がこの優勝に驚いているのかもしれない。夕暮れ迫る田辺カントリー倶楽部で優勝杯を掲げる姿が、この逆転劇を演じきった者にしては表情が硬いのも、頷ける。
なお、1打差の3位タイには浜島巌(貞宝)と安河正彰(ミッションバレー)が入賞し、初優勝の期待がかかった村上は12ボギー・1ダブルボギーの86と大きくスコアを落として通算16オーバーパーの15位タイに終わった。
2日間とも好天に恵まれた田辺カントリー倶楽部。この熱線はコース関係者の方々の支えもあって、スムーズな競技運営で閉幕することが出来た。広島県のグリーンバーズゴルフ倶楽部で行われる来年の本選手権も、今年に負けぬ大接戦が繰り広げられるだろう。
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