今年55歳となり本選手権初出場の平野早人(山口レインボーヒルズ)は、ショットの切れが光るプレーだった。3番で3パットのミスからボギーが先行するも、4番でピン奥6メートルのバーディパットを見事に沈めて、「このパッティングで、いい塩梅に」と前向きな気持ちになったという。5番(パー3)はパーオンを逃してボギーを叩くが、8番(パー3)で7番アイアンのティーショットを3メートルにつけて、スコアを戻す。9番(パー5)では2打目をハザードに打ち込むミスも、残り120ヤードの4打目をピッチングウェッジで30センチにつけるナイスショットでパーをセーブして、前半をパープレーで凌ぐ。後半も13番で「10メートル以上の下りのスライスライン」を3パットしてしまいボギーを叩いたが、14番で残り100ヤードのセカンドショットをウェッジで1メートル、16番(パー5)でもしっかりバーディを決めて見せた。
平野は5バーディ・3ボギーの70。2アンダーパーは2位タイグループに1打差をつけて単独首位のスタートとなった。練習ラウンドでは、「小野ゴルフ倶楽部のグリーンは上からが速くて、手前につけるのが鉄則」と肝に銘じていたが、「今日は、ピン奥からのパットも入ってくれた」と、思わぬ好スコアに破顔一笑。身長168センチと小柄な平野は、やはりパワー不足は否めない。それでも、「アイアンのロフトを少し立てたり、シャフトを少し長くしたり」と試行錯誤を重ね、「スピン量ではなくて、球の高さでグリーンに止める」アイアンショットを身に付けてきた。この日は、18ホール中パーオンを逃したのが2ホールだけと、そのショット力が好スコアにつながった。
本選手権は初出場の平野だが、日本アマチュアゴルフ選手権や日本ミッドアマチュアゴルフ選手権には何度も出場している全国大会の常連。優勝はまだ一度も手にすることは出来ていないが、「日本シニアは初出場なので、少し頑張りたい」と謙虚な言葉ながらも、絶好の好スタートに初優勝への思いを感じさせた。
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