小野ゴルフ倶楽部に特別な思いを持っている引地理策(日清都)は、この日も安定したプレーを見せた。10番ホールからスタートした引地は、11番で2メートルのチャンスを外したものの、12、13番とパーセーブ。14番ではラフからのセカンドショットを前に「フライヤーになるかもしれないし、風もフォローで…」と悩み、結局、グリーンをショートしてボギー。前半は、この1ボギーで凌いだ引地だが、後半の1番のジャッジミスで流れを失う。「ティーショットと2打目はアゲインスト。3打目も同じ風向かと思ったら、フォローでした。それでピン奥に乗ってしまって、3パット…」のボギー。3番は「納得できる」というボギーだったが、6番は1メートルのパーパットをミス。8番(パー3)も「絶対に寄らないところ」にティーショットを乗せてしまい、この日4つ目のボギーを叩いてしまった。「この風では、仕方ありません」諦め顔の引地は4つスコアを落としたものの、順位は2位タイに浮上。首位の小久江とは2打差と逆転も望める位置で明日の最終ラウンドを迎える。
「今日は良く耐えましたよ。距離の長いホールはアゲインストになってパーオンが厳しくなる。距離の短いホールがフォローで、今度はアイアンショットがピン奥に…」と、ぼやくが、大好きな小野ゴルフ倶楽部での優勝争いは、願ってもないことだろう。日本シニア初優勝に向けて水を向けられても、「あとは、運次第です」と柔和な笑顔でかわす引地だが、「明日は我慢大会になるでしょう」と、ここで多くの熱戦を繰り広げてきた引地の引き出し通りに事が進むよう、必死のプレーを誓った。
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