引地理策や奥中貫視ら地元関西勢の活躍が目立った本選手権。最終ラウンドで粘りのプレーを見せて2位入賞を果たした中辻厚雄(泉ヶ丘)もまた、地元関西出身だ。
首位と5打差の8位タイで最終ラウンドをスタートした中辻は、2番で下り2メートルのバーディパットをねじ込んでバーディを先行させると、ボギーは9番の1ホールだけで、前半をパープレーで凌ぐ。このプレーに首位を走る小久江を焦らせた中辻だったが、10番で3パットのミスからボギーを叩くと、14番こそ下り3メートルを決めてバーディとするが、15番で再び3パット。わずかな望みをかけて臨んだ最終18番では、2打目を「こすってしまい、右にふかした」と池に打ち
込んでしまう。痛恨のダブルボギーフィニッシュでスコアを3つ落とした中辻は、通算11オーバーパーで2位に終わった。
しかし、好成績にも中辻の表情は固い。「昨日の17番のトリプルボギー。今日の最終ホール…悔しいです」と、肩を落とす。それでも、「これだけ素晴らしいコンディションでプレーをさせていただいたことは、初めてと言っていい。本当に嬉しかったし、今日、一緒にプレーした﨑山俊紀さんと亀井隆さんのショートゲームは、すごく勉強になりました」と大きな収穫もあった。「小野ゴルフ倶楽部は、本当に素晴らしいですよ。すべてのホールに罠があるんです」と、開催コースへの賛辞は止まらない。戦略性の高いコースで、百戦錬磨のプレーヤーとともに1打を争った経験は、中辻の大きな財産となっただろう。
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