2008年大会を制した髙橋雅也(川越)がこの日ベストスコアの68でホールアウト。通算6アンダーパーで単独首位に立ち、2度目の戴冠に大きく前進した。第1ラウンドは一時4アンダーパーまでスコアを伸ばしながら、終盤の連続ボギーで2アンダーパーに終わった髙橋。「昨日のボギーは、球がつかまりすぎ始めて」と、振り返る中で気が付いたのは、本選手権初優勝を果たした時の自分だったという。何度も優勝争いを演じながら、あと一歩で賜杯を逃していた髙橋がようやく優勝を勝ち取った小倉CCでのプレー。「あの時はセルフコントロールが出来ていた。攻めたい気持ちや色々な感情を自分の中でコントロールしていた」自分の姿を思い返し、第
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2ラウンドは逸る気持ちを抑えることを頭に置いてティーオフしたという。
1番からティーオフした髙橋は、7番までスコアカード通りのパープレー。「ティーショットは、今日も狙いよりも左目に出ていたし、2打目でピンを狙うほど昨日よりショートアイアンが良いわけではなく…とにかくフェアウェイに打つこと、ピンと同じ段に乗せること」を徹底していたという。その髙橋にピンチが訪れたのは8番。狙い通りの位置に2オンしながら、バーディパットはホールを2メートル近くオーバーさせて、厳しいパーパットを残す。「あのパーパットがキーポイントだった」という髙橋は、これを慎重に沈めて、波に乗った。9番でピン下から10メートル、10番(パー5)ではティーショット、セカンドショットとミスが続き、3打目は残り150ヤード。このショットを1.8メートルにつけると、11番でも「強烈なスライスライン」の7メートルを沈めて、3連続バーディ。これで混戦から抜け出した髙橋は、その後も危なげないプレーでパーを積み重ね、最終18番では残り50ヤードの2打目を30センチにつけてバーディフィニッシュ。狙い通りのプレーで、4つスコアを伸ばして見せた高橋は、2位に3打差の単独首位に躍り出た。2度目の優勝に大きく近づいた髙橋だが、その表情は笑顔よりも安堵を感じさせるものだった。「良い順位で第2ラウンドを終えられたのは嬉しいですが、優勝争いが出来る順位にいるということが大事だと思っています」と、自らが設けた関門を抜けたことが、安堵感に繋がったのかもしれない。
「明日も、謙虚にプレーしないと。攻めるところ、守るところ。そのメリハリをしっかりとつけることが重要になりますね」一度賜杯を手にした者だからこそ、敵は自らの裡にあることを知っている。追ってくるライバルたちよりも前に、欲望や焦りに打ち勝つことが、2度目の戴冠に繋がるのだと言いたげだった。
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