それは、6番(パー4)のグリーンサイドで起こった。バンカーの中でキョトンとしていたのはディフェンディングチャンピオンの蛭田みなみ美(石川高)であった。第2打がコスリ球となって飛び込んだバンカーからのショットがシャンクしてターゲットのはるか右に低く、強く飛び出していった。信じられないようなミスショットに、その後の蛭田は、アイアンショットでグリーンをはずすシーンが多くなっていった。
「試合でシャンクさせたのは初めてです。“私、大丈夫かな…?”って。あれで動揺してしまって、しばらくゴルフになりませんでした。後半は、気持ちを切り替えて、いつもの目標である1日4バーディ奪取に集中していけました。目
標には一つ届きませんでしたが、最悪の結果は避けられたように思います」
ディフェンディングチャンピオンとして臨んだ本選手権。蛭田は、あっけらかんとしていた。緊張している様子は、どこを探しても見当たらなかった。
「もっと緊張しないとダメなのかなと思いました。でも同級生の子たちもいて、この大会にいるだけで楽しくて…」
そんな蛭田に6番ホールでのシャンクは、刺激は強すぎたかもしれないが格好のカンフル剤になったのかもしれない。
「明日は、もっともっと1打に集中していって目標の4バーディをとる内容にします」
そのためには?
「練習場でアイアンショットの調整をします。コスリ球ではなく、しっかりとつかまった球を打てるようにチェックしてから(ホテルに)帰ります」
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