「ゴルフの内容は最悪に近かったのに、スコアは69。わけわかりません」。松原由美(大阪学院大高)は、首を捻りながらホールアウトしてきた。
「とにかくドライバーショットが、狙ったところに飛んでいってくれなくて…」スタートでいきなりボギーを叩く。ドライバーを使わなくてすむ3番(パー3)をバーディにして取り戻した。その後5番、8番と2つのパー5ホールをともに2オンのバーディに仕留めて後半にターンした。
「前半のパー5は不思議とドライバーショットが当たってくれました。たまたま…かな。何でかは、わかりませんでした。だって、それ以外はやっぱり曲がっていましたから」それで、10番のティーショットをプッ
シュアウトしたところで、ドライバーを封印することになった。この後は、3番ウッドでのティーショットへと切り替えた。すると、パー5ではバーディを奪えなかったが、フェアウェイからピンを狙えたパー4ホールで3バーディが決まってバックナインは35。3アンダーパーの69でのホールアウトになったという次第だ。
松原は、惜しいところで本選手権の優勝を逃し続けている。「この大会は、自分にとって一番大きな目標にしている競技会です。優勝という結果が出れば、それはそれで最高ですけど、それより、この大会では、納得のいくゲームをするというのが最大の目標なんです」
その目標に対しては、第1ラウンドのプレーでは納得できるはずもなく、ホールアウト後はドライビングレンジへと足を向けた。実はスタート前もドライビングレンジで打ち込んだのだが、手にしたのはドライバーだけ。そして、ラウンド後もドライバーだけの打ち込みであった。ドライバーショットにどれだけ手を焼かされているか、これだけでも松原の悩みの深さ、大きさが伝わってくるようだ。首を捻りながらも69。だったら、松原が納得のいくゲームを繰り広げたらどんな結果が待っているのか。本選手権中にそのときがくるのを楽しみにしたい。
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