昨年から北海道ゴルフ連盟の強化指定選手にも選考されトレーニングを積んできた吉本ここね(JGAジュニア会員)。体幹トレーニングの成果もあり、平均飛距離も10ヤードは伸びたという伸び盛りの選手が、地元北海道で一人気を吐いた。
今年の北海道女子アマチュアゴルフ選手権を初めて制した臨んだ日本女子アマチュアゴルフ選手権。本選手権も初出場の吉本は、第1ラウンドで16番を終えて2アンダーパーまでスコアを伸ばしながら、それまでバーディを奪う要因となっていたパットが突如として乱れ、3パットを2ホール続けるミスもあって、イーブンパーに終わり、30位タイとマッチプレー進出の当落線上とやや出遅れていた。
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「カットラインは気にしないように。1ホールを、しっかりと丁寧にプレーすることを心掛けた」という第2ラウンドは、「昨日より少し重たく感じた」というグリーンのタッチをすぐに合わせ、3番(パー3)で4メートルのスライスラインを沈めてバーディを先行させる。その後は、10番までパーを積み重ねる。11番(パー3)で3番ウッドのティーショットを1.5メートルにつけて2つ目のバーディを決める。14番では残り120ヤードのセカンドショットを得意としている9番アイアンで1メートルにつける会心のショットで3アンダーパーまでスコアを伸ばし、ほぼマッチプレー進出を決めたかに思われた。しかし、17番(パー5)でこの日初めての3パットでボギーを叩き、3バーディ・1ボギーの70でホールアウト。通算2アンダーパーでプレーを終えた吉本は、「マッチプレーに進めますかね?」と不安げな表情を見せていたが、上位32名入りが確定すると破顔一笑して、喜びを爆発させた。
地元北海道での本選手権開催に加え、昨年のLPGAツアーでアマチュアながら史上最年少優勝記録を打ち立てた勝みなみと同組でのプレーに多くのギャラリーが吉本のプレーを見守った。これまで経験したこともない状況でのプレーも「自分への応援も多くて、すごく嬉しかったし、そのおかげもあって落ち着いたプレーが出来ました」と、18番グリーンを取り囲んだギャラリーに目をやる。「勝さんにも話しかけていただいたり、すごく優しくしていただいて、緊張せずにリラックスしてプレーが出来ました」と、1年先輩の勝の心配りにも感謝しきりだ。
本選手権初出場で初のマッチプレー進出を決めた吉本は、もちろんマッチプレーは明日が初めての経験。「ストロークプレーのコースとの戦いとは違って、目の前の相手のことを考えないといけませんよね。でも、どうやってプレーしたらいいのか…とにかく、自分の普段通りのプレーをして、自分のペースで戦って、ベスト16を目標に集中してやりたいです」と初々しいコメントを残した。
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