初めてマッチプレー進出者が20人とフレッシュな顔ぶれとなった本年の日本女子アマチュアゴルフ選手権。北海道女子アマチュアゴルフ選手権優勝の吉本ここね(JGAジュニア会員)は、ディフェンディングチャンピオンの蛭田みな美(学法石川高)とのマッチアップとなった。
スタートの1番で蛭田がボギーを叩き、幸先よく1upのリードを奪った吉本だったが、2番のボギーでオールスクウェアに戻されると、10番を終えて蛭田に3upと差を広げられたが、「まだホールは残っていると諦めないで前向きにプレーしました。自分が崩れているわけではないので、相手が伸ばしているので、すごいと思っていました」と後半のプレーを振り返る。
その言葉通り、両者譲らずに迎えた16番で蛭田がボギーを叩き、2upに差を縮めたが、17番をパーで分け決着。吉本はディフェンディングチャンピオンを苦しめたものの、2and1で惜敗した。
しかし、「初めてのマッチプレーでしたが、思ったより楽しかったです」と吉本の表情は充実していた。ストロークプレーでは勝みなみ、そしてマッチプレー1回戦では蛭田と日本女子アマチュアゴルフ界トップを走る2人と3日間プレーをしたことは、吉本に大きな刺激を与えてくれた。
「蛭田選手は、かっこいいと思いました。パッティングのタッチとかショットの正確性が凄いです。飛距離も」そう彼我の差を話す吉本。昨年から北海道連盟の強化指定選手としてトレーニングを重ねてきたが、本選手権の経験で、さらにモチベーションも高められた。「この試合で成長を感じられたのは大きかったです。それを自信にして、来週の競技でベストを尽くして頑張りたい」伸び盛りの吉本にとって、本選手権は有形無形の財産を残してくれたようだ。
一方、JGAナショナルチームメンバーとしても活躍する兄の小西健太をキャディに従えた小西瑞穂(松永CC)は、寝屋川市立第七中学校2年の山下美夢有(山東CC)との対戦。ともにマッチプレー初進出の初々しい戦いは、前半を終えてオールスクウェアと混戦の展開となった。
勝負が動いたのは10番。小西がボギーを叩いて山下に1upのリードを奪われると、続く11番で山下がバーディ。15番では、小西がダブルボギーを叩いてしまい差を広げられた小西は、16番の山下のバーディで敗戦が決定。4and2の結果に、「悔しいです」と悔し涙を見せた。
「今は自分にとって大事な時なので。狙い方などを一緒に考えてくれると思って」と初めてキャディをお願いした兄との二人三脚も、1回戦の壁を破ることはできなかった。「当初の目標としていたストロークプレーをイーブンパーで終えること、マッチプレーに残ること…目標は達成できました」と嗚咽を漏らしながら懸命に言葉をつなぐことしかできなかった。
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