クォリファイングラウンドでメダリストとなった稲見萌寧(長太郎CC)が1回戦で仲西菜摘(オリオン嵐山GC)、2回戦では青野紗也(ヴィンテージGC)をくだして昨年に続いてベスト8に勝ち上がった。1回戦は、16マッチのうちのトップスタートだった。稲見、仲西ともに走っているシーンが多く、17番で決着するまでに費やした時間は3時間余り。「別に、そうしようと話し合ったわけじゃないんですけど、菜摘ちゃんも走りたそうだったので、自然にふたりで走り回るようになっていました。自分は、走ってやる方がリズムに乗れるので、ラウンドは楽しめました。ショットの内容は、バラバラでしたけど…」。
ドライバーショットはこす
り気味で、アイアンショットは逆につかまりすぎ。「ランニングがメインでプレーはおまけ、みたいなゴルフになってしまって、勝負としては、冷や冷やの連続でした。だから自分の力で勝ったというより、ラッキーな勝利でした。1回戦が終わった時に“こんなゴルフじゃ2回戦で負けるかもしれない”って思っていました」。
インターバルをはさんでの2回戦。1番で稲見に気をよくさせるショットがあった。ユーティリティクラブでの第2打だ。ピンにまっすぐ向かったのだが、ちょっと強かった。「オーバーするかな…と思ったらガチャンと(ピンに)当たって1メートルぐらいに寄ってくれたんです。ついているのかなって感じました。3番(パー3)でもピン左6メートルだったんですけど、1回戦のときと同じラインでした。1回戦では強く打ち過ぎてラインに乗せられなかったので、今度はソフトにヒットしようと決めてストロークしたら入ってくれました。同じラインなんて、やっぱりついている」。このあたりは、プラス思考を自認する稲見らしくもあった。ホールが進むにつれてドライバーショットが芯でヒットできるようになり、アイアンショットはいつもより右に打ち出す(つかまるのを計算に入れて)ようにして1回戦では不安定だったプレーも立ち直っていった。
9番(パー5)では、先に青野が第3打を70センチにつけていた。稲見の第3打はグリーン手前からの30ヤード。これをチップインさせるイーグルで、このホールを終えたところで4アップ。さらに10番から3ホール連続アップして7and6と大勝した。1回戦では走り、2回戦は12ホールで決着。ベスト8入りも最初に決めた。
一方、2回戦で姿を消すことになった青野紗也は、「1ホールもとれずに終わってしまったのだから完敗です。9番でようやくバーディチャンスを作れたのですが、グリーンの外からイーグルを決められたのが一番大きなダメージになってしまいました。でも、今大会でベスト16に残れたことには満足しています」と敗戦にも初のマッチプレー進出でベスト16と言う結果を残せたことに満足げな表情だった。
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