本選手権初出場でランナーアップとなった王天妤(六甲CC)は、そのプレースタイル同様に「初出場なので決勝までいって、まぁまぁいい結果だった」と、6and5で勝に敗れた後のコメントも、冷静なものだった。
決勝戦で先にリードを奪ったのは王。スタートの1番でフェアウェイからの2打目をユーティリティーでピンに絡め、下り傾斜の1メートルを慎重に決めてバーディ。しかし、2番でグリーン奥からのアプローチをミスして、すぐに勝に追いつかれて、そこから試合はこう着状態に入る。しかし、16ホール目のボギーで勝にリードを許すと、勝負が動き出す。「午後はちょっと体力が落ちた」と細身の体でここまで戦ってきた疲れが出た
のか、昨日まで決め続けてきたバーディチャンスも入らない。逆に勝が3連続バーディを奪って、一気呵成にリードを広げると、王が勝に追いつくチャンスは訪れなかった。
「勝さんはメンタルが強いなと思いました。バーディチャンスのパットをたくさん決めてきました。パットが上手い」勝者への賛辞は、王の素直な言葉だ。それでも、初出場でランナーアップを獲得した王のプレースタイルは、これからの活躍を大いに期待させるものだった。「上手な方とたくさん一緒にプレーして、たくさん学べました。自分に足りないのは経験。いろんな場面での経験。一歩一歩しっかり踏み出して、自分の足りないところを埋めていきたい。プロになるだけじゃなく、いい人生としての過程として」そう大人びた目標を語る王の表情はやはり、最後まで冷静だった。
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