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Championship Reports
競技報告
【苦しみぬいた勝みなみが女子アマチュアの頂点に立つ】
第5日 競技報告:塩原義雄
クォリファイングラウンドから苦しいゴルフを続けてきた勝みなみ(鹿児島高)が、勝負強さを発揮してマッチプレーも勝ち抜き、遂にアマチュア頂点のタイトルをその手につかんだ。
「決勝では、勝負はもちろんですが、楽しんでプレーをしたい」と語っていたのが、前日の準決勝後のことだった。では、どうあれば、或いはどうなったら楽しく感じるのであろうか。改めてそのことを聞きたくて、一人残ってパッティング練習をしている場で立ち話をしてもらった。
「やっぱり、いい内容のゴルフをしていると楽しめます。でも、マッチプレーとなると、相手がいることですので、こちらのモチベーションが高まり、相手に気持ちの上でのダメージを与えるようなプレーも必要になってくると思います。ええ、これは、本選手権のマッチプレーを経験している中で感じたことなんですけど、ストロークプレーとは違うところがあって、そうした流れをつかみ、乗っていくことが大事なんだと思いました。だから、バーディが必要なときには、狙っていくし、無理をしなくていい場面では、セーフティーに。そうしたメリハリのある計算したゴルフを心掛けていくつもりです。それができたら、決勝マッチを楽しめると思っています」

スタートこそ王天妤(六甲CC)のバーディで先行されたが、2番ですぐに取り戻す。9番で再び王にリードを許したものの、11番で再びオールスクウェアに。そしてバーディでの分けとなった2ホールを含めて16番までゲームはこう着状態が続いた。勝負の流れは、両者の間で、どちらに偏ることもなく静かな表情をみせていた。
17番(パー5)。王がミスをした。パーで、このホールをとり1アップとなった勝は、ここをひとつの勝負どころと読んだ。そして、18番で会心のバーディパットを沈めた。このマッチ、初めてどちらかの選手が2アップのリードを奪ったシーンであった。決めたいところ、入れなければいけないところで狙い通りのゴルフをする。勝の戦略と、決定力が際立ったシーンでもあった。

王が負ったダメージは、直後の連続ボギーという結果が示している。勝は手堅くパーで一気に4アップとリードを広げたのだった。
気持ちを立て直した王が、22ホール目で好ショット、好パットを続けてバーディを決めてきた。パーでこのホールを落とした勝は、また考える。
「すぐに取り返しておかないと、流れが相手にいってしまうかもしれないから、次は積極的に攻めていかなければいけない」と。その思いを結果につなげてバーディで取り返した。さらに手を緩めることなく、連続バーディを3ホールまで伸ばして6アップに。

大勢は決した。この後2ホールを落としたものの30、31ホール目をまたもや連続バーディに仕留めて5ホールを残して優勝を決めた。
楽しめたのだろうか。「はい。決勝マッチで、この大会初めて楽しいゴルフができました」。

決着ホールのグリーン横のカートに、マッチプレーになってずっとキャディを務めてくれていた母親が先に乗って待っていた。駆け寄った勝は、母親の涙を見て、「自分もグッときて…」母子で泣いた。「決着直後は、うれしいというより、終わったという方の気持ちが強かったんですけど、いっしょに戦ってくれた母が感激してくれているのをみたら、もう、たまらなくなってしまいました」。
昨年の日本ジュニアに続いてのビッグタイトル獲得。7月1日の17歳の誕生日を前に16歳最後の晴れ姿であった。「優勝と誕生日、自分へのお祝いとして欲しかったヘッドホンを買います」。
この後の夢は、プロ競技で「あと1勝したい」。日本女子オープンへの意気込みは「なんか、日本ジュニア、日本女子アマと取りたかったタイトルを手に入れてしまったので、ローアマチュアを狙うというより、優勝を狙いたいですね」。
勝の向上心と実行力は、とどまるところを知らないようだ。

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