不思議なことがある。本人も首を傾げる安田祐香(原田中学3年)のドライバーショットである。
「このところ、右にばかり飛び出していって、コントロールできなかったんです。ここに(霞が関CC)きてからも修正できず、迷いながらラウンドしていました。あれこれ考え、いろいろ試してもまっすぐ飛んでくれないのなら、いっそのこと、何も考えずに打ってしまったらどうなるのかしら…。今日は、ちょっと開き直って打ったらまっすぐに飛んでくれたんです。なぜ、そうなったのか、技術的なことはわからないんですけど」
10番からのスタートで、最初のドライバーショットがフェアウェーをとらえた。第2打も、狙ったところにとんで
いった。パー5ホール。3打目もピン近くに落ちてバーディ発進となった。そして、13番からは3連続バーディ。まっすぐ飛ぶようになったショットが、次々とバーディにつながっていった。そしてピンチらしいピンチもなく、バックナインも1バーディにまとめてスコアカードに記入された数字は68。通算7アンダーパーで第1ラウンド首位の山口すず夏(鵜野森中学3年)をかわしてトップに立っていた。
日本女子アマでベスト8入りした後、左腕のヒジと手首を痛めた。本選手権も左前腕部をテーピングしての出場、ラウンドが続いている。
「痛みはありますけど、ラウンド中は、あまり気になりません」
それだけプレーに集中できているということであろう。
最終ラウンドは、最終組でのプレーになる。これまでジュニア競技や県女子アマなどで最終ラウンド最終組は何度か経験しているという。「でも…」と安田は、そうしたケースでの結果を振り返る。
「なんか考えすぎたり、相手のプレーに影響されたりして自分のペースをつかめずに自滅することが多かったように思います。いい結果を出せた記憶はありません」
昨年の日本ジュニアは15位タイだった。今年こそ最高の結果を残して終わりたい。「なぜかわからないけど、何も考えずに打ったらまっすぐ飛んでいってくれた」というショット同様、「なにも考えずにプレーに集中し続けていたら勝っていた」という展開に持ち込めるか。
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