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競技報告
【「後半勝負」とじっくり構えた小倉彩愛が逆転優勝】
第3日 競技報告:塩原義雄 写真:Y.Watanabe
女子12~14歳の部の最終組対決、争いの序盤は白熱した展開だった。スタートダッシュをかけたのは首位スタートの安田祐香(原田中学3年)。1、2番連続バーディで一気に通算9アンダーパーにまでスコアを伸ばす。1打差を追っての2位スタートだった山口すず夏(鵜野森中学3年)も2番バーディで食らいつく。そして、3、4番と連続バーディを決めたのが、3位スタートの小倉彩愛(総社東中学3年)だった。

2ホール終えたところで、スタートの2打差は4打差に広がっていた。焦りを誘う展開だったが、小倉は、動揺していなかった。それというのも、スタート前に「勝負は後半」と、自分に言い聞かせ、はやる気持ちを封じていたから
である。

急激に流れ出した展開は、ここから淀みに入っていった。7、8番で山口が連続ボギー。安田も、8番から、今度は3連続ボギーと崩れた。

前半を終えた時点で通算7アンダーパーで並んだ小倉と安田。10番を安田がボギーにしたのに対して小倉はバーディで一気に逆転に成功する。「勝負は後半」と言っていた小倉が首位に立った。この後、12、13番で連続ボギーを叩くのだが、同じホール、安田はさらに大きくダブルボギー、ボギーと乱れて差は広がった。終わってみれば、後半で安田、山口がそろって40と崩れたのに対して、小倉はパープレーの37にまとめて「後半勝負」を勝ち切っていた。

「うれしいです。優勝争いでも緊張はしませんでした。落ち着いて自分のプレーができたと思います。今年は、ジュニアの試合経験をとおして、自分のプレーに集中できるようになったところがあって、それが成長したかな…と思えるところでもあります。自分のプレースタイルは、グリーンを外しながらもリカバリーを決めてパーでしのいでいき、チャンスを待つというものだと思っています」

最終ラウンドを、そのスタイルで押し通せたところに優勝が待っていたということになる。目標にする選手はイ・ボミだという。「ショット、パットが上手くて、常に安定したゴルフができるところ。ミスしても笑顔でいられるところが好きです」

激戦から乱戦となった最終組の争いの末の優勝にも、涙はなく、自分のプレーを押し通せた満足感が、そのかすかな笑顔の中に浮かんでいた。

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