山口すず夏(鵜野森中学3年)にとっての最終ラウンド最終組での優勝争いは、あまり経験がないことだという。しかも、あまりいい思い出は残っていないともいう。
「だから、最終ラウンドを迎えて、ちょっと不安もありました。最高に緊張した中で、自分がどうなるのか。その前に、どれほどの緊張感に襲われるのかもわからない状態でしたから」
スタートしてから、それが襲ってきた。その中で、山口のゴルフは、どうなっていったのか。
「前半のショットは、まずまずでした。でもパッティングではラインを読み違えたり、狙ったところにストロークしていけなかったり。グリーンのプレーから崩れ始めました。そのうち、ショット
の時もリズムが悪くなってショートアイアンでダフッたり、アプローチショットも寄らず、入らずといった状態になってきて、そうなってからは、もう自分のゴルフを取り戻せませんでした」
それが、山口の最終ラウンドのゴルフだった。2位からスタートして結果は4位タイ。その成績よりも、緊張の中で自分が自分でなくなっていく泣きたくなるような現実を知らされたこと、そこから立ち直れなかった口惜しさが大きい。インタビューに答えながら、山口は大粒の涙を流した。
口惜しさは、次の機会への糧になる。この後の試合は10月の日本女子オープンゴルフ選手権だ。「それまでに、もっとショット精度を上げて、決めるべきパットもしっかり決められるように練習します。もっと強い心でプレーできるようにします」
夏の思い出を口惜しさだけにしないために、日本女子オープンでは、ひと回り大きく、強くなったゴルフを見せてくれることを期待したい。
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