日本アマチュアゴルフ選手権でメダリストを獲得するなど、今シーズンの好調をそのまま表現した形で本選手権の最終ラウンドを首位タイでスタートした阿久津未来也(日本大学4年)。しかし、目の前にあった優勝杯は、1つのミスで阿久津の指の間をすり抜けていった。
2位タイグループに1打差で1番をティーオフした阿久津だが、いきなりアプローチを寄せきれずボギー発進。しかし、3番で4メートルのバーディパットを決めて気持ちを切り替えると、「難しいホール」と言う4番で3メートルを沈めて連続バーディ。その後、5番ボギー、6番バーディと出入りの激しいプレーながら前半で1つスコアを伸ばす。その阿久津をうわまったのが、同じ最終組でプレーする長谷川祥平。前半で3つスコアを伸ばした長谷川に一度は首位を譲った阿久津だったが、10番、12番で3メートルを決めて、長谷川とデッドヒートを繰り広げる。その後パーを積み重ね、「17番までは完ぺきなプレーだった」と自画自賛する内容で迎えた最終ホール。阿久津と長谷川はともに通算4アンダーパーで首位タイに並んでいた。優勝のためには、是が非でもバーディを奪いたい最終ホール。しかし阿久津のティーショットは左の林の中へと消えていった。「パーセーブしなければ長谷川選手に負けてしまう。そう思ったらプレッシャーになったのか…」とミスを悔いる阿久津。林の中から強引にグリーンを狙ったセカンドショットは、手前バンカー。このバンカーショットはグリーンを大きく飛び越していき、4オン・2パットのダブルボギーフィニッシュ。結局、阿久津は5バーディ・2ボギー・1ダブルボギーの69でホールアウト。通算2アンダーパーの4位に終わった。
「最後のティーショット…ここまで緊張するのは久しぶりだった」と振り返る阿久津。「自分の中では日本アマや関東アマよりも同年代と競い合う試合に重きを置いています。その意味でも、日本学生のタイトルは欲しいし、だからこその緊張だったかもしれません」同年代の中でトップに立ちたい。その思いは、来年に持ち越されてしまった。
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