今年大学に進学した山内日菜子(山梨学院大学1年)と中野真衣(近畿大学1年)が同組でプレーして、ともに1オーバーパーの3位タイと健闘を見せた。本選手権初出場の2人だが、これまでの道のりは、対照的だ。小学校時代から全国大会に出場し、時に優勝争いを演じてきた山内は、高校時代の2012年にはJGA女子ナショナルチーム候補選手にも選考され、今年の日本女子ああチュアゴルフ選手権では3位と大舞台を踏んできた。一方の中野は、本選手権が初めての全国大会出場の初々しい選手だ。
この日の山内は、「ショットが良くなくてチャンスもなかった」とこの日のプレー内容を嘆く。11番で3メートルを沈めてバーディが先行するも14番、後半に入って1番でボギーを叩く。2番でこの日2つ目のバーディを奪って波に乗るかと思われたが、5、6番は連続ボギーと、なかなか安定しない。「もったいないゴルフでした。アプローチをミスしたり、ティーショットが曲がって、どうしようもないミスをしてしまった」と反省の弁ばかりが先に立つ山内も、最終9番で決めた3メートルのバーディパットは、「最後がバーディで良かった」と溜飲を下げた。日本女子アマ3位で本選手権初優勝に周囲の期待は高まる一方だ。「女子アマを終えて、みんなに祝福されて。期待されていると思うので、明日は頑張ります」とまわりの思いは、しっかりと届いている。終始、反省の言葉が続いたのも、それがわかっているからだろう。期待に応えるだけのプレーを誓う山内だった。
中野は、「全国大会の雰囲気を感じようと考えていたので、今日は思ったよりも緊張しないでプレーが出来ました」と、1日を振り返る。11番でボギーが先行したものの、直後の12番(パー5)3打目は残り120ヤード。ここで手にしたのは得意とする8番アイアン。このショットが心地よい手ごたえとともにピンを差し、80センチにつけるスーパーショットでバーディを奪う。「12番のバーディは大きかった」と、気持ちも乗った中野は14番で2メートルのスライスラインを読み切ってバーディ。15番こそボギーを叩いたが、前半をパープレーで終える。後半に入ると、2番でグリーンエッジからチップイン・バーディ。しかし、5番でボギーを喫すると、最終9番はショットを木に当てるなどトラブル続きでボギーフィニッシュ。それでも「75ぐらい」という中野の目標スコアを軽くクリアする好スコアとなった。3位タイと好スタートを切った中野だが、その表情は笑顔と疲れが入り混じった複雑なものだった。「1日が長かったです」緊張はしなかったというが、やはり気が付かずうちに澱みのように誰にも見えない重い空気が中野を包んでいたのだろう。「明日も落ち着いてプレーしたい。絶対にカットになるのは嫌なので」もう1日、中野の緊張は続くかもしれないが、それに打ち勝ってもらいたいところだ。
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