全国大会でも名をはせている小林利治と権純福がともに1アンダーパーでホールアウト。原継雄とともに首位と1打差の2位タイと好スタートを切った。
2007年の日本シニアゴルフ選手権を制した小林は、今年65歳となり本選手権初出場。スタートの10番(パー5)で4メートルのフックラインを沈めてバーディ発進。直後の11番はバンカーショットのミスからボギーを叩く。「今日の前半は、良いショットと悪いショットの両方が出て…力んでしまったのか、身体が突っ込んで右のミスが多かった」とショットの不調があったものの、ピンチをしのぎパープレーでまとめる。後半、4番で2打目をグリーン奥のバンカーに打ち込みボギーが先行す
るも、5番で2メートル、6番では再び4メートルのフックラインをねじ込む連続バーディとし、2位タイスタートを決めた。「この試合は、2日間で140ストローク台を目標にしている」と日本シニア歴代優勝者は謙虚に語るが、それも、1ヶ月ほど前に腰痛を患い、「3週間はクラブを握れず…医者に通って必死にゴルフが出来る状態まで持ってきた」から。まだ腰には違和感が残るものの、2つ目の日本タイトルを目前にして、「後半に入って、ショットも良くなってきて、そこそこ納得のできる球も打てた」と、気合が入った。広島CC・西条コースは、「グリーン面が見えないホールが多いので、距離感が難しいですよね。特に後半はスコアを伸ばせないでしょうから、そこでどれだけ粘れるかが鍵」と、逆転優勝に向けて、痛む身体に鞭打って明日の最終ラウンドに思いをはせる。
一方の、権は1番からの前半9ホールを全てスコアカード通りのパープレー。スタートの1番では2メートルのチャンスをものにできず、「今日は、嫌な感じだな」という予感通り、「8ホールでパーオンはしましたが、決してチャンスが多かったわけではなかった」と、スコアを伸ばしたかった9ホールは不満が残るプレーだった。しかし、10番(パー5)で5メートルの下りスライスラインをねじ込むと、12番も3メートルを決めて2アンダーパーにスコアを伸ばす。13番(パー3)はティーショットをグリーン右に外してボギーとしたが、安定したショットは、東北シニアを何度も制している実力を見せつけるものだった。これまで何度も日本アマなど全国大会に出場した東北地区の雄は、不思議と日本タイトルに手が届いていない。初の日本タイトル戴冠に向けて千載一遇のチャンスを迎えたが、「明日は、前半のチャンスを決められれば。後半はホールも難しくなりますし。まぁ、ティーショットをフェアウェイに置くことが第一ですね」と、権は冷静だった。
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