今年の関西ミッドシニアと関西シニアの2冠を達成して本選手権に出場した引地理策。首位と2打差で迎えた最終ラウンドは、見事なバンカーショットからのバーディでスタートを切った。逆転を目指して、前半でスコアを伸ばそうと必死のプレーを続ける引地だったが、3番で2メートルのバーディパットがカップに蹴られてから雲行きが怪しくなる。4番ではティーショットのミスからボギーを叩くと、6番でボギー。7番は3メートルの下りスライスラインをねじ込んでバーディを奪ったが、127ヤードとチャンスホールのパー3である8番でよもやのボギー。「疲れが出たのか、身体が言うことを聞いてくれなくて、ショットが荒れ始めた」と371ヤード
のパー4である9番も「ドライバー、3番ウッドで、まだグリーン手前でしたよ」と自嘲気味に話すほど、本来のスウィングの切れは見られなかった。
「追いかける立場として、前半でスコアを伸ばしたかった」と悔やむ引地は、37と1つスコアを落として後半に入る。11番もボギーを叩いた引地だったが、「体が動かない分、力が入りすぎていてショットが荒れていたことに気がついた」と12番で「身体の回転を意識したスウィング」に変えて、ショットの切れが戻り始める。ショットの復調もあって15番、18番とバーディを奪った引地は、この日パープレーでホールアウト。通算イーブンパーで2位タイ入賞を決めた。今年65歳となった引地は、本選手権初出場の好成績に「関西で2タイトルを獲って全国大会に1年生として出場して、上位に入らないと面目ないと思っていました。どうにか入賞できました」と2位タイ入賞の喜びよりも、安どの表情でコースを後にした。
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