2アンダーパーで首位タイスタートを切った大友富雄は、粘りのプレーを見せた。10番ホールからティーオフし、最初のバーディは12番(パー5)。4メートルのスライスラインをねじ込んで見せた。出だしのバーディ先行で、このまま波に乗るかと思われたが、ここから大友はピンチの連続。14番(パー3)では、グリーン奥のアプローチを寄せきれず、「3メートル強はあった」というパーパットをねじ込んで、力強いガッツポーズ。17番はバンカーからパーセーブ。18番も2打目をグリーン右手前バンカーに打ち込んだが、見事なリカバリーで1メートルほどに寄せてパーで凌ぐ。前半の1アンダーパーに「耐えて耐えてのプレーでしたよ」と苦笑い
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後半、その忍耐が報われる。1番で下り15メートルの下りスライスラインが見事に決まって「ご褒美ですよ」とバーディ。この時点で通算4アンダーパーにスコアを伸ばし、独走態勢に入るかと思われた。しかし、大友に暗雲が立ち込めたのは、5番(パー3)。3メートルのバーディパットが一筋外れて、流れが変わってしまう。「難しいホール」という6、7番を連続ボギーとしてしまった大友。これで2位とは1打差に詰め寄られ、最終9番も2打目をグリーン左奥にこぼすピンチ。アプローチを寄せきれず、2.5メートルのパーパットを見事に沈めて、この日2バーディ・2ボギーのイーブンパー。通算2アンダーパーとスコアは伸ばせなかったが、2位に1打差をつけて単独首位に立ち、本選手権初優勝に王手をかけた。
ラウンド中は同伴競技者と談笑していたが、優勝争いに残るための1日は、普段通りのプレーをすることは難しかったようだ。「やっぱり、この順位でスタートしたら、スウィングも崩れますよ。綺麗なフィニッシュなんか取れませんでした」と苦笑い。それでも、しっかりとパープレーにスコアをまとめてくるところが、大友の強さの現れだ。
単独首位で迎える明日の最終ラウンドは「風とホールロケーション次第ですが…」と前置きしながら、「今日のように最後まで耐えるゴルフになるかと思いますが、54ホール目のことを考えてプレーします」と、凌ぎ合いの覚悟は固めている。「東北旋風を起こしたい」明日の18ホールで有言実行がなるか。
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