1アンダーパーグループに名を連ねた3人の内、常連ともいえる榎隆則以外の2名は、本選手権初出場。今年の四国ミッドアマチュア3位入賞の井上智一、関東ミッドアマ4位タイの髙野隆が、その2人だ。
井上は、スタートの10番でいきなり15ヤードのチップインバーディを決めると、15番(パー3)では3番ユーティリティーで2.5メートルにつけて、前半を2バーディを終える。後半、4番で1.5メートルを決めてバーディを先行させると、5番ではフェアウェイバンカーから80センチにつけるスーパーショットで連続バーディ。その後は、3つのボギーを叩いたが、目標としていた73をクリアする1アンダーパーをマークしての4位タイは、初出場の緊張感もあるなかで特筆に値する。「得意のティーショットが曲がらなかったですから。このコースは、ティーショットが大事です。ドライバーショットでフェアウェイを捉えられれば…」と好スコアの要因を語ってくれた。「まずは、予選通過が目標です」と初々しいコメントも、初出場の選手らしい。
一方の髙野隆は、強気なコメントを残してくれた。日本学生ゴルフ選手権にも何度も出場している髙野は、大学卒業後社会人生活をつづけながらアマチュアとして競技ゴルフに取り組んでいる。今大会から出場資格が25歳以上に変更されたため、本選手権に駒を進めることが出来た。この日の高野は、3バーディ・2ボギー。学生時代は、持ち前の飛距離を武器にバーディも奪うがボギーも叩く波のあるプレーの印象が強い選手だったが、社会人となって体重も減り、練習量も「基本的に土日だけです。仕事がハードですから、平日にゴルフなんてとても…」と、学生時代とは雲泥の差。しかし、厳しい社会人生活の中で1打の重みと競技ゴルフの楽しさを再確認できたのが、大人のプレーに繋がったのかもしれない。「上司が、このような大切な試合なんだから、ぜひ頑張ってきなさいと送り出してくれました。周りの皆さんの応援に応えるためにも、狙うのは優勝です」その言葉が実現すれば、勿論、本選手権最年少優勝記録を樹立することになる。学生から社会人になって一回り成長した髙野の活躍に注目が集まる。
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