先週、広島カンツリー倶楽部・八本松コースで開催された日本シニアゴルフ選手権に続いて、今大会に出場しているベテランの榎隆則の健闘が光っている。第1ラウンドは1アンダーパーをマークして4位タイにつけると、第2ラウンドも4バーディ・5ボギーの73にスコアをまとめてホールアウト。スコアは通算イーブンパーと1つ落としたが、4位タイと上位で最終ラウンドに駒を進めた。
この日の榎は、4番(パー5)で105ヤードの3打目をピッチングウェッジで1メートルにつけてバーディとすると、7番(パー5)も70ヤードをサンドウェッジであわやチップインという切れ味鋭いショットで10センチにつけてバーディ。8番でボギーを叩いたものの、前半を1アンダーパーで終える。後半、10番の3パットでのボギーで流れが悪くなり、13番で1.5メートル、14番2メートル、15番(パー3)ではバンカーショットを寄せきれず3連続ボギーを叩いてしまう。それでも、16番で再び128ヤードの2打目を9番アイアンでピンを刺し、10センチにつけてみせた。このショットで流れを引き寄せると、17番ではアプローチを寄せきれずボギーのピンチも4メートルのパーパットをしぶとく決めるベテランらしい粘りのゴルフで、最終18番のバーディフィニッシュにつなげた。最後に8メートルのフックラインをねじ込んだ姿は、シニア世代とは思えない賞賛のプレーだった。この2日間は、「同伴競技者の方も全国大会によく出場されている方々で、強敵でした。彼らに負けたくないという高いモチベーションを保てた」と、健闘の要因を語ってくれた。
日本シニアからの連戦も、榎本人は「不思議と疲れは無いんですよ」と涼しい表情。それも、今年から始めたストレッチを中心としたトレーニングの効果かも知れない。日ごろから身体のケアに努め、これまで練習を積み重ねてきたプレーを存分に発揮している。
「若い選手と一緒にプレーできるのは、楽しいですよ。自分も彼らの刺激になりたいと思っています」と、充実の笑顔の榎。「このコースは、樹木が効いていますね。頭を使わされるコースで、自分は好きですよ。今年は昨年の順位(6位タイ)を上回りたいですね」飛距離では叶わない若手をむこうに回し、ベテランの技で好スコアをマークしている榎。その深みを増したプレーは、若手の選手にとって刺激どころか、大きな壁になっている。
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