「1日で36ホールを回ったのは初めてです」そう話すのは、通算9アンダーパーの2位タイで本選出場権を勝ち取った葭葉ルミ。しかし、その初体験のプレーは、見事なものだった。ノーブルコースからスタートした葭葉は、出だし3連続バーディに続いて5番でもスコアを伸ばして迎えた9番(パー5)。「残りは200ヤードちょっと。5番ウッドで1メートル以内」という完璧なショットでイーグルを奪って前半を1ボギーの30で折り返す。後半1ボギーで足踏みが続いたが、68で首位と5打差の10位タイで本選通過県内に踏みとどまる。ロイヤルコースでの第2ラウンドは、7、8番の連続バーディで上位を伺うと10番でもバーディ。そして迎えた15番(パー5)でも再び約200ヤードの2打目を5番ウッドで1メートルにつける前半とデジャブのようなショットでイーグルを奪取。この起死回生のイーグルで第2ラウンドを67で―ホールアウトした葭葉が、初めての2ラウンドのプレーで初の1日2イーグル、そして初めての全米女子オープン出場と、初めてづくしの1日を過ごすことになった。葭葉はしかし、「レギュラーツアーとの間の月曜日だし、まだ調子も良くなかったので…」と、この最終予選へのエントリーに逡巡していたという。そんな悩む葭葉を後押ししたのは成田美寿々だった。「美寿々にせっかくだから出てみなよと言われて。申込みの前日にエントリーしました。経験になるから出たほうがいいんじゃないって言われて」と、同年代の成田の言葉に、全米女子オープンへの挑戦を決めた葭葉。それが初めての海外メジャーにつながったのだから、成田の助言は大きかった。初めてづくしの1日で初の海外メジャー切符を掴んだ葭葉。「出るからには予選を通りたい」と、今度は本選の舞台で初の予選通過を目標に据えた。
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