昨年大会ベスト32の後藤美有は、悲願の九州女子ゴルフ選手権を制して3度目の本選手権に臨んでいる。しかし、ショットは本調子ではなく、前半からグリーンをとらえきれず、アプローチとパッティングで凌ぐ苦しい展開を強いられていた。
その中で、4番(パー5)と6番の5メートルのスライスラインをねじ込んでのバーディは、「良い位置につけられた少ないチャンスをものにできた」というスコア。後半に入っても、後藤のゴルフは好転せず10番でティーショットを左バンカーに打ち込むミスからボギーを叩き「もったいないミスでした」と気落ちしたのか、続く11番では3パットとミスが続いて連続ボギー。それでも、13番(パー5)で
計算通りに攻めのコースマネジメントでバーディを奪い、気持ちに余裕が生まれる。14番で再び3パットのボギーを喫したが、後藤の気持ちは萎えることが無かった。
「この試合では、4日間全てアンダーパーでプレーする」という目標に向けて、集中力を高めた後藤は、17番(パー3)で6番アイアンのティーショットを3メートルにつけて、バーディ。最終18番では残り193ヤードの2打目をユーティリティーで見事に2オン。4メートルのフックラインをねじ込んでイーグルを決めて、見事に目標をクリアする69でホールアウト。通算5アンダーパーで首位と4打差の7位タイと上位に食い込んだ。
ライバルの田中瑞希の九州女子ゴルフ選手権3連覇を阻んで優勝杯を手にしての本選手権だが、直後の試合でオーバーパーを叩き、今は徐々に調子を取り戻している段階だという。苦しいゴルフも「少しずつ手ごたえを感じている」と、初の日本タイトル戴冠に向けて、一歩ずつ歩みを進めている。慣れない4日間競技も、「毎日攻めのゴルフだけでは、精神的に苦しくなります。守るべきところは守る。チャンスになったら攻めるという、考えるゴルフが必要だと思います」とクレバーなところを見せる。守りから攻めに転じるプレーの切り替え、冷静な判断力。後藤もまた、日本女子アマチャンピオンを狙うにふさわしい選手だ。明日のムービングデー。後藤のクレバーなゴルフに注目したい。
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