吉田優利は第2ラウンド、後半10番ホールからのスタートの第1組で、スタート時間が近くなったころから、ちょっと風が強くなってきた。「これは、ちゃんと頭を働かせながらプレーしないとスコアをまとめられないな…」と、そんなことを考えながら10番ティーインググラウンドに立ったという。「特に立ち上がりの数ホールは、安全策を優先して攻めの気持ちを抑えていこう」
10番、11番と確実にフェアウェイをとらえ、グリーンはピンではなく、センターに乗せていく。11番はピンまで10メートル近くあった。ここでも、確実に2パット…のつもりが、ボールはカップに消えていった。思いがけないバーディだった。続く12番はパー3
。手にしたのは9番アイアンで、これは思い切ってピンを狙った。風の影響も受けることなく、ピンそば1メートルについた。連続バーディだ。だからといって攻めダルマ状態になることはなかった。冷静に、ていねいなゴルフの組み立てが風の中でのプレーには必要であることを知っている。
基本はグリーンのセンター狙い。1番にターンしても、それは変わらなかった。5番で4メートル、9番では6メートル。ホールロケーションによっては、センター狙いがバーディチャンスになることもある。ショットは堅実に、パットは積極的に。このメリハリのあるプレースタイルが連日の60台のスコアにつながった。
吉田が唯一悔やんだのは16番ホールのボギーであった。ドライバーショットを右に曲げ、そこからグリーンを狙ったショットが二段グリーンの奥のラフに転がり込んでしまった。「寄せようのない状況でした。なんとかグリーンに乗せようとばかり考えて…どこに乗せるか、はずすとしたらどこからが寄せやすいのかということまで考えずに打ってしまいました。あれは、はっきりと自分のミスでした」
テレサ・ルーが好きだという。「スウィングも、プレースタイルも好きで、憧れの選手です。攻撃的になるところと、ステディーに徹するところのメリハリも参考にさせてもらっています」
麗澤高の1年生。16歳ながらゴルフセンスが光っている。
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