雨の日のプレーは嫌いだという梶谷翼は、第3ラウンドのゴルフを「(スコアを)伸ばすより、落とさないようにしよう」という心構えで迎えていた。前半の9ホールは2バーディ・3ボギーの37。前日よりひとつスコアを落としていた。
10番ホールでは第2打の5番アイアンのショットを狙ったラインよりも右にプッシュアウトさせた。これが、ボールは右傾斜を伝ってピン2メートルに寄り、「ラッキーなバーディ」となった。これで前日までの通算6アンダーパーにまで戻すと、13、14番と連続バーディを奪って、ホールアウトしてみれば通算8アンダーパーの4位タイに食い込んでいた。
岡山県の山陽女子中学校の1年生。12歳の
梶谷は、本年大会出場の最年少選手である。体つきはしっかりしている。小学生時代から頭角を現していた。全国小学生ゴルフ大会を連覇、世界ジュニア選手権11~12歳の部で優勝もしている。さらに中国女子アマチュアゴルフ選手権で4位に入り、本選手権の初出場を決めた。
158センチ。ドライバーショットの平均飛距離は240ヤード。7歳でゴルフを始め、これまでのベストスコアは64だというから、恐るべき12歳である。
「前半でオーバーパーになったけど、集中力を切らさなかったのがよかったと思います。70というスコアも、思ったよりよかったです。明日は、悔いを残さないように自分の力を出し切りたい。どういう結果が待っているのか、楽しみです」そう締めくくったコメントも最年少選手のものとは思えなかった。12歳にして精神面の強さも十分にうかがえた。
梶谷には本選手権史上最年少優勝記録の更新もかかっている。2004年大会で当時14歳260日で優勝した宮里美香の記録を大幅に更新する12歳286日での新チャンピオン誕生がなるか。明日の最終ラウンドに注目だ。
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