1番ボギー、2番バーディ。トップで最終ラウンドを迎えた吉本ひかるは、前日までのスコア(通算11アンダーパー)をキープしながら、序盤は丁寧なスコアメイクを続けていた。
まさかのトラブルが待ち受けていたのは6番ホールであった。5番アイアンでの第2打が、悪夢の始まりだった。このショットがグリーン手前のバンカーにつかまる。ピンまでは40ヤードもあろうかという難しいシチュエーションだった。砂を薄めにとって、しっかりと距離を出そうとしたバンカーショットは、ボールを直接ヒットしてしまい、グリーンをオーバーしていった。落下したのは、OBゾーンだった。
バンカー内にドロップしての第5打は、目玉状態で
グリーンに届かず、6オン2パットの8打。ダブルパーとなった。一気に優勝争いから脱落。「OBに打ち込んで頭の中が真っ白になった」という吉本を次に襲ったのは落胆であった。
続く7番(パー5)でバーディーャンスにつけるも、気落ちした吉本には、これを決め切るだけの素早い切り替えも、集中力を取り戻すこともできなかった。
「悔しいです。できるなら、あのホールだけ、もう一度やり直したいです」
そう言うのが精いっぱいで、後は、涙、涙…となってしまった。ステップ・アップ・ツアーに続く2戦連続優勝、念願だった日本女子アマのタイトルも、ほとんど手を届かせるところまでいきながら、つかみそこねた。
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